第参夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「やっぱり気になるな」

福太郎「んっ、今後の政治?」

悠「いや、それはどうでもいい」

クロ「どうでもいいことはないだろ」

メリー「ご主人様ー、みかんちょうだい」

福太郎「はいはい」

悠「ご主人様を使いっぱしりにする」

メリー「つかいっぱしりになんてしてないもん!」

福太郎「まぁ、メリーちゃんに蜜柑もってくるんはなかなか難しいやろ」

悠「サクランボくらいが限界か」

メリー「み、蜜柑くらいなら平気だもん」

悠「じゃあ、ほれ。もってみ」

トスっ

メリー「んーっ!んーっ!」

ぐぐっ!

福太郎「お、ちょっと浮いた。」

悠「へぇ、これはちょっと見なおした。」

メリー「はぁはぁ、ど、どうよ。」

悠「よしよし、よく頑張ったな」

こすこす

メリー「もー、髪がぐしゃぐしゃになるからやめてー!」

悠「撫でただけなのに」

福太郎「ははは」

恋「おい、茶が入ったぞ」

福太郎「ん、おおきに」

悠「どれどれ……ズズッ……んー、70点かな」

恋「やかましいわ」

福太郎「まぁ、せやけど悠はお茶淹れるん上手やしね」

悠「年寄りにも負けないのさ」

恋「年寄りいうな!」

福太郎「ふー、しかし、今年はあたりやな」

悠「なんか良いことあったのか?」

福太郎「ん、いや、甘いもんをよっけ届けてくれたやろ」

悠「あー、余りものだよ」

福太郎「せやけども、たすかっとるよ。百鬼襖でお客さんきたときに出すと喜ばれるし」

悠「うぇひひ、なんか照れるな」

クロ「気色悪い笑い方すんなよ」

恋「しかし、恋としてはもう少し家に帰って腰を落ちつかせるべきだと思うのじゃがな」

悠「おれが帰らなくても片割れがいるだろ」

恋「それでも別人じゃろ」

福太郎「別人ともあるいみ言い難いけどね」

悠「なんだ、そんなにおれに甘えたいのか。」

恋「そんなこといっとらん!」

悠「いいんだぞ。お前が掃除婦として頑張ってるのなら、頭くらい撫でてやろう」

恋「やかましい!何様じゃ!」

悠「屋主」

福太郎「噂では大黒柱は真桜ちゃんって聞いとるけど」

悠「あー……うん、ほぼ正解」

恋「情けない……」

悠「情けないとはなんだ。いわれ慣れてるぞコラ」

恋「威張るなッ!」

福太郎「ズズッ、ってか、悠って普段どういう感じで行動しとるん?」

悠「あー……けっこう過密スケジュールだな。こっちの学校と大江戸学園をいききしつつ、池袋で散歩して、秋葉原でうろうろして、ラスタに顔出して……」

恋「遊んでばっかじゃろ」

悠「パトロールだよ」
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