第参夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「普通、さ。頭が潰れるなり身体が縦に真っ二つになるなり、心の臓腑が破裂したりしたら死ぬよな。例えゾンビでも」

恋「着て早々にグロい話しはよそんか」

福太郎「まぁ、死ぬわな」

クロ「お前ものるんだな」

悠「なんで、福ちゃん家の隣のひとは死なないんだ?」

福太郎「今さらやし、俺に聞かれても困るなぁ」

悠「いくらなんでも死なないに度が超え過ぎてると思うんだ」

福太郎「んっ」

悠「あの揺光ですら殺せば死ぬんだぞ。殺し切れればだけど」

福太郎「りんねさんかて殺しきれば死ぬんちゃうん?」

恋「いや、お前ら死ぬとか殺すとかやめんか」

悠「気になるんだよ」

福太郎「死なんのが?不死身なんが?年齢が?」

悠「……年齢かな」

恋「おい」

悠「いや、色んな意味でな」

福太郎「確かに見た目は二十代後半やしね」

悠「まぁ、でも見た目の話しなんかしたら恋なんかロリ婆だしな」

恋「誰がババァか!恋はどこもかしこもぴちぴちじゃ!!」

クロ「ぴちぴちって……」

悠「死語だな」

福太郎「ナウなヤングにバカウケ」

恋「そんな言葉つかわんわ」

悠「まぁ、恋のことはおいといて」

恋「待て、なにか適当ではないか?」

悠「なんだ、実年齢でもいう気になったか」

恋「……」

悠「コイツはコイツで怪しいなホント」

クロ「少なからず私よりかは年いってるぜ絶対に」

恋「ええい!うるさいうるさい!」

悠「で、話しはりんね先生のことに戻るけど」

福太郎「気になるんやったら直接本人に聞いたらええんとちゃう?」

悠「あのひとって会話逸らすのヘタなのに誤魔化すからなぁ。そんでドジってひき肉になる」

恋「やめい」

福太郎「ん、なんか分かる。」

悠「っで、ミンチになったのみたら……話す気が一気に失せるし、リアルに血生臭いし、肉片飛ぶし」

恋「やめいといっとろうが……」

福太郎「せやけど……悠はなんでそんな気になっとるん?」

悠「細かいことが気になるのがおれの悪い癖」

福太郎「んっなるほど」

クロ「いやいや、もっと細かいことごろごろ転がってるだろ。あの女の存在なんか細かくなくドデカイだろ」

悠「いや、まずはあの不死力からだろ」

クロ「なんでそこにピンポイントなんだよ」

福太郎「同族やからちゃう?」

悠「おれは不死身じゃねーよ」

恋「というか、お主自体が細かい存在でもないしのう」

悠「それ、どういう意味だ」

恋「お前も奇妙な生き物だと言っておるんじゃ」

悠「……」

ぎゅー
恋「いひゃい!いひゃい!ほひゃ、ふぉふぉをひっはふへふぁい!(痛い痛い!こりゃ、頬を引っ張るでない!)」
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