第参夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「焼き肉かぁ。福ちゃんは勇気あるな」

福太郎「ん?センセから貰った肉やから?」

りんね「あら、それはどういう意味?」

クロ「何の肉か分からないって意味だろ」

福太郎「ハッキリ言うたらあかんやろ」

りんね「ちゃんとした牛肉よ。指だってはいってなかったでしょ」

悠「指が入っている可能性があるってなんだよ」

りんね「うふふ」

悠「……食うのやめようかな」

福太郎「一枚食べたら二枚も三枚も同じやって」

悠「一回生でしたらあとは同じみたいなもんか」

クロ「全然ちげぇよ!」

福太郎「ところで何の勇気があるって話しやったん?」

悠「あぁ、室内で焼き肉するするって行為の勇気」

福太郎「んー、なるほど。そこは新聞の耐久力と消臭剤の力に頑張ってもらうってことで」

悠「なるほど」

クロ「なっとくできんのかよ」

悠「肉うめぇ。本当にい肉だな」

メリー「遠慮ないなぁ」

福太郎「メリーちゃん、そこは油跳ねて危ないで」

りんね「油は嫌よね。ろうそくだったらいいけど」

クロ「何がいいんだよ」

りんね「うふふ」

悠「福ちゃん焼けたての肉とかぶつけてやれば?」

福太郎「それは勿体ないやろ」

クロ「ってか、食いもんで遊ぶな」

悠「美味しくいただくために遊ぶんだろっ!」

りんね「女体盛りとかわかめ酒とかね」

福太郎「それはまたちゃうと思いますけど」

すっきー『すっごく笑ってるっすね』

悠「おーい、ミツバおいで、ほら肉だぞ肉」

ミツバ『こ、これは……』

福太郎「食べてええよ」

ミツバ『いただきますっ!』

悠「しかし、本当に良い肉だな。ヘタな焼き肉屋のより美味いぞこの肉」

りんね「喜んでもらえてうれしいわ」

福太郎「どういう流れで精肉業のひとからもらえるようになったんです?」

りんね「さぁ、私にもよくわからないの」

悠「いや、絶対になんかあっただろ。」

りんね「うーん……本当に心当たりはないのだけど、そういえば逃げだそうとした牛に体当たりされて上半身と下半身が千切れたくらいかしら」

悠「それだーー!」

りんね「きゃっ、ビックリした」

福太郎「精肉業者のひとでもビックリしたやろうなぁ。いや、むしろその業種やから落ちついて肉片を集められたんかな」

クロ「絶対にちげぇよ」

りんね「そんなちょっとぶつかっただけなのにこんないいお肉送ってくれるなんて良心的なのねぇ」

悠「ぶつかった程度の話しじゃないっての」

福太郎「普通、即死やな」

りんね「そんなことないわよ」

福太郎「そんなことありますて……」

悠「それ以上、その話はやめよう。だんだん肉が食えなくなってきそうなきがする」

福太郎「せやね」

りんね「えっ、なんでなんでー?」
76/100ページ
スキ