第参夜『福太郎の不思議な日常』

ー夢見長屋近くの畑ー

幽香「ずっ……ふぅ、いい天気ね」

福太郎「せやねー」

クロ「なんで……」

福太郎「ん?」

クロ「なんでお前らは自分の好きなことしてて、私はせっせと雑草抜いてるんだよ」

幽香「私は花を愛でてるの」

福太郎「俺はせっかくやからこのひなぎく畑」

メリー「ゆうかりんランド」

福太郎「……を絵に描いとことおもて」

クロ「なら、私も自由にさせろよ!」

幽香「まだまだ残ってるんだからキリキリ働きなさい」

クロ「こっの……」

泥田坊「まぁまぁ、ええじゃないですか。土いじりは楽しいべ」

クロ「うるせぇ!」

クロの後ろ回し蹴りが泥田坊の腕を弾き飛ばした。

泥田坊「な、なにするだぁ。いくらくっつくからって容赦ないっぺ」

幽香「頭拭き飛ばしたらどうなるのかしら」

泥田坊「そら、勘弁してくんろ」

福太郎「ははは」

クロ「いや、笑い事じゃねーから」

幽香「福太郎、ひとつ尋ねたいのだけど」

福太郎「ん?」

幽香「隣にも田んぼがあるわね。」

福太郎「せやね」

幽香「なにも育ててないわよね」

福太郎「草も生えとるし遊ばせとる感じやろか」

幽香「買いなさい」

福太郎「んな無茶な……」

幽香「勿体ないじゃない」

福太郎「せやかって易々と買えるもんともんとちゃいますよ」

泥田坊「あんのぅ……」

幽香「なに?」

泥田坊「へえ、たすかこんの田んぼも冥さんの持ち物だったはずなんで……連絡してみたらどーでしょうか」

クロ「余計な事いうなよ」

幽香「福太郎、連絡しなさい」

福太郎「連絡先しらへんのですよ」

幽香「もう、使えないわね。」

福太郎「すんません。とりあえず手紙は出しとくんで」

幽香「しかたないわね。今回だけは許してあげるわ」

福太郎「おおきに」

クロ「何さまなんだか……。」

幽香「いいから、アナタは雑草を抜いてなさい。出ないとマスパで焼くわよ」

クロ「なにをされるか分からないけどヤベェことされるのは分かった」

福太郎「焼かれるいうとるしね」

メリー「ご主人様、描けた?」

福太郎「んっ、もーちょいかな」

幽香「あら、もったより上手いじゃない」

福太郎「そらどーも。よかったら持って帰ります?」

幽香「あら、いいの?」

福太郎「別にええですよ」

幽香「なら、いただいていくわ。」

メリー「ゆうかりん、今日帰っちゃうの?」

幽香「また遊びに来るわよ」

クロ「しばらく来ないでくれ」

幽香「マスタースパーク(弱)」

クロ「あちっ!?」
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