第参夜『福太郎の不思議な日常』

ー桜花フラワーショップー

悠「……さみぃ」

鈴猫「悠、学校は?」

悠「創立記念日」

鈴猫「即答で嘘つくよね」

悠「そんなことないよー」

鈴猫「……悠、学校は?」

悠「宗教上の教えで今日は学び舎に入れないんだ」

鈴猫「どんな宗教…。サボってちゃ駄目だよ」

悠「考えとくよ。っか、おれのことはいいから仕事しなさい仕事」

鈴猫「見られてるとやりにくいんだけど……」

悠「気にするな」

幽香「ちょっと」

鈴猫「あ、はーい。あっ、ご無沙汰しています。いらっしゃいませ」

幽香「あら、覚えていてくれたのね」

鈴猫「はい、それはもう……本日は何をお求めでしょうか?」

幽香「ええとねぇ、ひなぎくをいただける?」

鈴猫「切り花ですか?」

幽香「苗であるだけいただくわ」

鈴猫「あ、あるだけですか?」

幽香「えぇ、リアカーをもってきてるからそこにいれてくださいな」

クロ「支払いから荷物持ちまで全部私かよ……」

幽香「ふふっ」

鈴猫「ええと、少々おまちください。悠、ちょっと手伝ってくれない?」

悠「なにを?」

鈴猫「ひなぎくの苗を全部リアカーに積んで欲しいの」

悠「仕方ないな~。って、クロ」

クロ「げっ、なんでお前が……」

幽香「あら、知り合い?」

悠「うぉっ、フローラル美人」

クロ「中身はUSC(アルティメットサディスティッククリーチャー)だよ……」

幽香「なにかいった?」

クロ「……」

悠「クロと一緒に居るってことは妖怪か?」

幽香「そうよ。アナタは?」

悠「小鳥遊悠、人間だ」

幽香「そう。それじゃあ、小鳥遊悠、くっちゃべってないでとっとと積んで貰える?」

悠「あ、はい……」

クロ「怖いだろ」

悠「神姫と同じ気配がした。容赦なくしばいてくる気配……」

クロ「神姫が誰かは知らないが、後半は間違ってねーよ」

幽香「……」

ビュッ!

クロ「うぉっ?!」

幽香「なに?」

クロ「日傘を思いっきり振り下ろすな!ってか、傘はそういう使い方するもんじゃねーからな!」

悠「柄の方であいての首に引っ掛けて、引っ張り込んで顔面に拳を叩きこむのが傘の極みだ」

クロ「傘の用途はそうじゃねーよ!」

幽香「それ、面白そうね。」

クロ「みろ!なんか感化されちゃってるだろ!」

悠「ヒートゲージの消費量と傘の耐久力残量には気をつけてください」

幽香「わかったわ」

【風見幽香は傘の極みをマスターした】

クロ「妙なテロップながしてんじゃねーよ!!」

鈴猫「あのー……お会計をお願いします。」

クロ「あ、はい……すいません」
70/100ページ
スキ