第参夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「ケガん中でキツイんてどういうケガ?」

悠「……その質問の意図は?」

福太郎「いや、悠はよーケガしてきとるやろから今までで一番きつかったんはなんかなーおもて」

悠「ほむ……いや、ふむ。」

恋「いや、ふむでしもないじゃろ」

悠「どれもこれもそれが起こった後に死ぬほど痛いってのはいっぱいあるけど……あばら骨を引っこ抜かれたときは本気で死んだと思ったな。」

福太郎「……それ怪我?」

悠「あー……開放性骨折かな。当然心霊手術のspecでもないわけだから皮膚を破って骨を掴んでぶっこ抜くんだ。だから、それだけでも痛いし骨に着いてる肉や…」

恋「やめい!恋はグロいの嫌いじゃ!」

悠「グロくないよ」

福太郎「そこまでいったら痛い話やらグロい話やら笑い話やらわからんね」

恋「笑い話じゃないじゃろ」

悠「喉元過ぎれば熱さ忘れるだ」

クロ「ってか、それってよぉ無くなったアバラはどうするんだ?」

悠「もちろん器具入れる。アバラも伸びてくるからある程度したら器具の入れ替えを……」

恋「あーあー、聞こえない聞こえない」

福太郎「話題変えよか」

悠「じゃあ、足の小指が百八十度曲がった……」

恋「やめんか!!」

悠「アレも駄目、これも駄目ってわがままか」

恋「普通の話しができんのか!」

悠「普通の尺度なんて人によってバラバラであってな……」

恋「ふんっ!」

ゲシっ!
悠「やめろ!俺を炬燵から蹴り出そうとすんな!!」

福太郎「一人称表記が「俺」になるほどの本気ぐあい」

すっきー『ってか、人ん家で頭だけ出すほど炬燵に潜ってるってのもどうなんすかね』

恋「コイツはこたつむりじゃからな」

悠「可愛いだろ」

クロ「かがみ見ていえ」

福太郎「んっ、かがみ」

悠「きゃー、こたつむり貞子!!ってなんでじゃ!」

クロ「自分でいったんだろ!」

メリー「ちょっとー、ごたごたしないでよ落ちちゃうでしょ」

悠「声はすれど姿は見えず」

福太郎「机の上に乗っ取るだけやけどね」

メリー「私が炬燵入ってたら踏まれちゃうもん」

悠「ミツバよりも知恵が無いんだな」

メリー「刺していいよね?」

福太郎「まぁまぁ」

悠「おのれ呪いの人形め」

恋「呪いの人形ではない!」

メリー「呪いの人形じゃない!」

悠「恋にまで怒られる始末ですよ。とほほ」

クロ「そういって潜るな」

悠「ん?これは誰の足かな~うへへ」

クロ「私じゃねーぞ」

恋「恋でもない」

福太郎「俺やね」

悠「福ちゃんのあんよ、福ちゃんのあんよ」

福太郎「さすがにひくわぁー」
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