第参夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「免許?」

福太郎「そそ、クロが取りたいいうとるんよ」

クロ「別に取りたいとは……」

福太郎「でも、車乗りたいんやろ?」

クロ「まぁ、それは……」

悠「っか、クロの場合獣化して走った方が早くね?」

福太郎「んっ、たしかに」

クロ「いや、たしかにじゃねーよ」

悠「まぁ、免許なんてよっぽどのヌケサクじゃなきゃすぐに取れるだろ。」

メリー「そうなの?」

福太郎「んー、実技も難しいことはせーへんし。テストは結局○×やし」

悠「恋みたいに脳みそが古代人でなけりゃ大丈夫だ」

恋「誰が古代人じゃ!」

悠「生きた化石」

恋「恋はシーラカンスか!」

悠「へっ」

恋「なんで笑ったコラァ!!」

福太郎「あいかわらず元気やね」

悠「このクソ寒い中生足さらしてるんだし元気だろそりゃ」

恋「ほっとけ」

悠「こんな恰好なのに下から覗こうとしたら蹴ってくるんだぞ?どーおもう?」

福太郎「悠が悪いと思う」

メリー「えっち!」

クロ「変態が」

恋「そーじゃろ、そーじゃろ」

悠「見て欲しいからそういう恰好してるんだろ?」

恋「違う!」

福太郎「あれやね、短いスカートはいとるのに階段とかではしっかりカバンとかでガードするみたいな」

悠「あれはあれで腹立つし勘違いブスがしてたら蹴落としたくなる」

恋「お前なかなか最低じゃな」

悠「ふふっ」

クロ「笑ってやがる」

恋「太ぇやろうじゃ」

悠「褒め言葉として受け取っとくよ」

福太郎「それにしても雨が続いとるなぁ」

悠「雨はいいんだが寒いのは勘弁してくんないかな」

福太郎「多分、どんどん寒いんが増してくと思うよ」

悠「いやぁー」

恋「オーバーな奴じゃ」

メリー「雪降らないかな」

悠「やめてくれ本当に死んでしまう」

福太郎「何死?」

悠「……凍死」

福太郎「あ、普通やった」

クロ「毎年どうやって生き延びてるんだよ」

悠「可能な限り動かないようにジッとしてる」

クロ「野生の熊か」

悠「熊は全身毛皮なんだからそもそも冬眠しなくていいよな」

福太郎「そういう問題やないと思うけど」
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