第参夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「はい、皆さん。お揃いでいらっしゃい」

りんね「はい、こんにちは」

由乃「お久しぶりです」

雪母「ファック」

白菊【お集まりいただき感謝します】

福太郎「集まったいうことは何か進展あったんです?」

白菊【はい、このところ連続して娘らしき念動力の波動は感知しました。】

福太郎「はい」

りんね「はい、福太郎なんですか?」

福太郎「娘らしきって特定はでけへんのですか?」

白菊【はい……。】

雪母「本当になんの役にもたたないわね。」

白菊【あ、でも神様ですから特別なことは分かりますよ?】

福太郎「へぇ、例えば?」

白菊【雪女さんの表記が「雪女」から「雪母」に変わったとか】

雪母「意味が分からん。霧散しろ」

白菊【シクシクシクシク…】

福太郎「そんなはっきりいわんでも……」

りんね「じゃあ、話しを戻して……どのあたりで感じたの?あ、感じたっていっても性的な意味じゃないのよ?うふふふ」

福太郎「まぁ、このひとは無視して……どのあたりで?」

白菊【ええと、この辺りです】

念動力でペンが空を舞って地図に丸をつける。

福太郎「山ン中?」

雪母「山籠りでもしてるっていうの?っていうか、お前街のどこかにいるって言わなかった?」

白菊【そ、そのはずなんですが……】

雪母「ちっ、曖昧も極まりね」

福太郎「まぁまぁ、ほんなら街にはおらんの?」

白菊【いえ、今朝がた小さいですがこの近くで波動を感じました】

雪母「締め上げるわよ?」

白菊【すいません、ごめんなさい】

福太郎「んー……ってことはや、街で暮らしとるんは暮らしとるんやけど、なんかしに山にいったんやな」

由乃「そうなりますね。しかも念動力を使うような事をしに」

りんね「なにかしないといけないような事でもあるの?」

白菊【そんなことは……ただ】

雪母「お前の、「ただ」に続く言葉はろくなことがないのよねぇ」

白菊【……】

福太郎「いや、そこでいうてもらわんのも困るんやけど」

白菊【ただ、娘は力を完全にコントロールできてるわけじゃないので……定期的に発散しないと暴走したりします】

雪母「つまり、山で大暴れしたってことかい?」

白菊【だといいのですが……あの子が自分からひと気のないところにいって力を使うなんて配慮ができるかどうか】

由乃「つまり……誰かが一緒にいるという可能性が高いということでしょうか」

福太郎「そーなるんかな」

白菊【あぁ、心配だわ……あの子の力が悪用されないかしら】

福太郎「その可能性は低いんちゃいます」

雪母「ほう、なんでそう思う」

福太郎「ホンマに悪用するつもりやったら、その日のうちに大事になっとるはずかと」

りんね「そうよねー。じゃーいい人に拾われたのかしら」

白菊【あの子猫かなんかじゃないんですから……】

福太郎「けど、狐やろ」

白菊【狐の血も混じっていますがほぼひとです】
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