第参夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「へぇ」

クロ「どした?」

福太郎「病院が爆破されたんやって」

クロ「物騒だな」

福太郎「ホンマやねー。」

悠「この爆破された病室にヤクザの組長が入院してたらしいぞ」

福太郎「それ、ホンマ?」

悠「マジマジ。んで、おれのツレが見舞いにいってたときドカンされたって」

クロ「そいつ死んだのか?」

悠「いや、かすり傷一つなかったそうだ」

福太郎「それはバラバラんなって治ったいうこと?」

悠「いや、りんね先生じゃないから」

クロ「お前も木端微塵になっても治る系だろ」

悠「一度たりともそんなことになったことも、治ったこともない。」

福太郎「不死身も考えようやよねー」

悠「まったくだよな。おれは不死身じゃないけど」

福太郎「……」

悠「なんで何もいってくれない?んん?」

福太郎「近い近い」

悠「くっついてた方があったかいだろ」

福太郎「クロのがきっとあったかいで」

悠「なるほど、一理あるな」

ズイッ!
クロ「寄るな!!」

悠「そんな力いっぱい否定せんでもいいだろ。妊娠するわけでもないし」

福太郎「空気感染?」

悠「感染はひでーわ」

クロ「いいから離れろ!肩に手回すな!」

悠「寒いんですよ」

福太郎「冬やしな」

悠「秋なかったよな一気に冬になった」

クロ「くっそ、コイツ力強くて離れねぇ……!」

福太郎「悠としてはどーなん?もう朝とかきついん?」

悠「朝どころか……昼夜問わずもうダメージ受けてるよ」

福太郎「スタミナ減少やなくダメージ?」

悠「おれにとっての寒さはダメージだ」

クロ「ぐぬぬっ!!!」

メリー「あれ、クロと悠が仲良くしてる。珍しい」

悠「おれらは仲いいぞ?」

クロ「うるせーっ!テメーかがっちり掴んでんだろ!」

悠「思った以上に温かくて感動してる」

クロ「気持ち悪いんだよ!!」

悠「気持ちよくしろと?」

クロ「離せってんの!!」

福太郎「んっ、まぁ、それは置いといて」

クロ「置いとくな!」

福太郎「こう寒うなったら服も代えんといかんよな」

悠「そうなんだよ。上着引っ張りだしたらさぁ袖の部分がかびててショックだった」

クロ「お前の服なんて代わりばえしないだろ」

悠「失礼な昇龍と下龍の刺繍が入ってるお気に入りなの」

福太郎「今のスタジャンも似たようなもんやん」

悠「これは竜虎だもん!」

クロ「だもんじゃねーよ」

悠「……」

クロ「無言ですりよんなっ!」

福太郎「暖まりたいんやね」

クロ「もっと他にあるだろ!」

悠「まぁまぁお気になさらず」

クロ「気になるわ!!」
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