第参夜『福太郎の不思議な日常』

ー池袋西口公園ー

霊夢「外の世界ってけっこうごちゃごちゃしてるのね」

福太郎「ここは都心やしね。他の場所に比べてもごたごたしとるよ」

霊夢「ただ、なんで着替えさせられたの?」

福太郎「あの恰好やったら冬場は寒いやろ?それになにより……目立つし」

霊夢「確かにね。でも、私の服なんかよりあそこ歩いてる人のが派手じゃない?」

福太郎「あれはゴスロリいう恰好や」

霊夢「雛が似たような格好してるけどあんなおどろおどろしくはないわね。っていうか、アレは相撲取りか何か?」

福太郎「なかなか失礼な事いうんやな」

霊夢「じゃあ、あれを可愛いって言える?」

福太郎「……そう思うひともおるやろ多分。なにより、自分で自分をかわええおもとるからにしとるんやろし」

霊夢「私よりアンタのほうがひどいじゃない」

福太郎「せやろか」

悠「いや、おれとしてはああいう身の程知らずは地獄の業火でローストポークになって悪鬼に食われてしまえばいいと思う」

福太郎「神出鬼没やな。センセと話し済んだん?」

悠「駄目だ。あの女、昔の記憶が定かでなさすぎる」

福太郎「昔ってどんくらい?」

悠「軽く100年は前だった」

福太郎「あのひとホンマは何歳ねんやろか……」

悠「わからん……ところでさ」

福太郎「ん?」

悠「そっちにいる可愛い娘だれ?」

霊夢「あら、うるさいだけの奴かと思ったけどひとを見る目はあるみたいね」

福太郎「んーと……こん人は……」

紅「おーい、悠!」

悠「ちょいごめん。なんだ、紅かどしたよ?」

紅「向こうでホストと柔道部が喧嘩してるぜ」

悠「なにその意味の分からない組み合わせ!?」

紅「見に行こうぜ」

悠「行く行く~。福ちゃん、ごめんまたな。ついでに可愛いお嬢さんも」

福太郎「んー、また」

霊夢「さよなら」

福太郎「この街も面白いなぁ」

霊夢「ホストって何?」

福太郎「えーと……男で一緒にお酒呑む仕事するひとかな?」

霊夢「なにそれ、女のバージョンはないの?あるなら萃香を身売りに出すわよ」

福太郎「その場合はホステスいうんやけど、ってか、萃香を身売りとかいわんの。今のご時世はロリには厳しいんやから」

霊夢「見た目はあれでも中身は私や福太郎の数百倍年上よ」

福太郎「そーかも知れへんけど……幼女やん」

霊夢「幼女ね」

福太郎「あきまへんて……というか、霊夢ちゃんとならんどるだけでも俺は場所によったら怪しまれるんやから」

霊夢「見た目からして怪しいしね」

福太郎「せやろか?」

霊夢「あぁ、でもさっきのうるさい男よりかは全然ましね。あれはなんか薄気味悪い感じがしたし」

福太郎「彼は彼でええひとなんやけどね」

霊夢「そうは見えなかったわ。それより、お昼まだ?」

福太郎「……ほな、ご飯食べに行きますか」

霊夢「やったー」
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