第参夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「寒くなって来たよな」

福太郎「今年はでもまだぬくぅない?」

悠「いや……さむいだろ」

恋「きっちりと防寒しておれば平気じゃろ」

悠「生足だしてるお前を見るだけで寒い」

恋「ならば見るな!」

福太郎「クロとかはどうなん?」

クロ「私は暑いののほうが苦手だ」

悠「毛皮だもんな」

クロ「ついでにクロ毛だからな。炎天下になんか寝てられない」

恋「外で寝るという発想が凄いのぅ」

悠「おれも外で寝るけど」

クロ「ああ、レスホームか」

悠「家はありますよ!狸オヤジといっしょにするな!」

恋「そういえばハンモックを吊るしておったな」

悠「落下して死を感じてからは極力使わないようにしているが」

福太郎「どんだけ高い位置に設置してん」

悠「二階の窓から庭の木にかけて設置したんだ」

福太郎「それ、どないして寝るん?」

悠「一回屋根に降りてジャンプ」

福太郎「そこにたどり着くまでが危ないな」

恋「阿呆じゃ、阿呆」

悠「うるへーよ。一日中広間でごろごろしやがって!」

恋「恋は家のことをしておるわ!そっちこそ鉄砲玉じゃろ!朝帰り常習犯が!」

メリー「鉄砲玉って?」

福太郎「出たら出たっきり帰って来んて例えのことや」

悠「いしゅみんは矢に例えていたけどな、発射されたら帰って来ない獲物に当たるだけって」

福太郎「いしゅみんて誰?」

悠「ダートを剛速で発射してくる怖い奴」

福太郎「それはめっちゃ怖いな」

悠「ついでにいうとおれは出たら出たっきりじゃない。ちゃんと別の家に泊まってる」

福太郎「ジゴロさんやな」

悠「泊まりにいった先に女がいるならともかく、あるのは和菓子だけだよ」

メリー「お菓子の家?」

恋「めるへんじゃな……。」

悠「恋はばば臭くてもう……」

恋「誰がババァかっ!」

福太郎「まぁまぁ」

悠「じゃあ、小娘」

恋「お前より年上じゃからな恋は!」

悠「じゃあやっぱりババァじゃん」

恋「なんで間がとれん!上か下しかないのかお前は!!」

悠「そうはいうがな、仮におれが恋お姉さんなんていったら……ドン引きだろ」

恋「気色が悪い」

メリー「怖い……」

クロ「気持ちわりぃ」

悠「みろ、この総すかん」

福太郎「足さず、引かずで今のままでええってことちゃう?」

悠「福ちゃんは確信というかいいところを突くよな」

福太郎「というより、それ以外の正解がなかっただけなんやけどね」

恋「恋はただもう少し礼儀をわきまえろといっておるだけなんじゃが」

悠「恋たんいつもおそーじありがとーございますー」

恋「戦争か?ん、戦争じゃな?」

悠「礼をいったら戦争ふっかけられたよ」

福太郎「まぁ、今のはしゃーないて」
49/100ページ
スキ