第参夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「はぁー……朝から血まみれた……」

クロ「お前、肉片ついてるぞ」

福太郎「やめてや……。見んようにしとるんやから」

幽香「最低の朝ねぇ」

福太郎「はは……ちょっとシャワー行ってきます」

幽香「人間界の朝がこんなに殺伐としてるなんて驚いたわ」

クロ「アイツとりんねが特別なんだよ」

幽香「私もキョンシーをイタズラに壊したりしてるけど死体相手だから気持ちは良くないのよね」

クロ「アンタの発言に驚きだよ」

幽香「ふふふ」

メリー「この人怖い」

幽香「あら、可愛らしいお人形さん」

メリー「ひっ」

幽香「あらあら、隠れちゃったわ」

クロ「壊されると思ったんだろ」

幽香「あら、どうしてかしら」

クロ「どうしてって……」

福太郎「ふー……普通のシャワーなら気持ちがええんやろうけど肉片と返り血を落とすためのシャワーってだけで気持ち滅入るわ」

幽香「あら、速いのね」

福太郎「朝っぱらから長風呂する気にはなれませんて」

幽香「いつもああいうプレイを楽しんでるの?」

福太郎「してませんて。プレイでもないし」

幽香「あらそう。異常性癖かと思ったのに」

福太郎「妙な性癖持ちにせんといてください。れより、今日はどないします?」

幽香「どうするって……別に人間を襲って食べるなんて真似はしないわよ?」

福太郎「されても困るけど、せーへんていうてくれて超安心しましたわ」

幽香「福太郎はどうするの?」

福太郎「俺はバイトにいかなあかんのですけど」

幽香「そう。じゃあ、行ってらっしゃい。昼食とかは勝手に作って食べたらいいのよね?」

福太郎「平気いうかでけるんですか?」

幽香「あなた……私のことなめてるの?」

福太郎「そ、そーやなーて。今までこっちきたんがチルノとかルーミヤやったもんで」

幽香「その子らと一緒にされるのもちょっとどうかと思うのだけど」

ぐわしっ!
福太郎「痛たたたっ!ちょ、幽香さん肩が痛いです!」

幽香「あ、そうだ。この近くに植物があるところはないかしら?」

福太郎「植物……花屋とか?」

幽香「買うつもりはないのだけど私は花とかを見てるのが好きなのよ」

福太郎「そういうことやったら……クロ」

クロ「あ?」

福太郎「どっか行きたいところがクロにいうたって。案内してくれるけん」

クロ「なんでだよ!!」

幽香「あにぁ、助かるわ。私の下僕になってくれるなんて」

クロ「いってねーよ!SUC(アルティメットサディスティッククリーチャー)!」

福太郎「クロは何気に土地勘あるし子守よりは平気やろ」

クロ「そりゃそうだが……」

幽香「うふふ、よろしくね。」

クロ「……よろしくしたくねぇー」

福太郎「おっと、俺はそろそろ行かな。ほんなら、喧嘩せんよーになー」

幽香「ふふふ」

クロ「……」
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