第壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「ふあぁぁ……そろそろ寝よかな」

すっきー『えー、夜はこれからっスよ?』

ミツバ『ですねぇ』

福太郎「夜行性コンビやなぁ。騒がんのやったら二人で起きててええで、おやすみ」

すっきー『はーい、お休みなさい』

ミツバ『おやすみなさいです』



~就寝中~



ひゅ~……

福太郎「っ……(寒っ。なんや、今日こんな冷える予報やったけ……暖房いれよかな)」

「……」
ピトッ…

福太郎「冷たっ!!な、なんや!!」

頬に冷たい何かを押し付けられてとっさに電気を付けました。すると……俺の上に青と白のワンピースの女の子が立っていました。正しくいうと立っていたというより仁王立ちの態勢で浮遊しています。

「あんた、フクタロ?」

福太郎「え、あー、福太郎やけど、君……誰?」

チルノ「あたいはチルノ!さいきょーの妖精よ!」

あぁ、ついに妖精まで見えるようになってしまったようです。それにしても、妖精というともっとこう手のひらサイズのティンカーベル的なものを想像していましたが……チルノは普通に子供くらいの大きさです。

福太郎「てゆーか、寒っ……。なんやこれ」

チルノ「あたいは氷の妖精だからね!」

福太郎「この寒いんはキミの力かい……。」

チルノ「ふふん、もっと凄いことできるよっ!」

福太郎「ちょい待ち。これ以上、寒うにするんは勘弁してや。ウチには寒いンが苦手な子が居るんやから」

ぷるぷる…
ぷるぷる…

ミツバ『ふ、く、福さん……さ、寒いですっ。』

案の定ミツバが凍えていました。抱きあげてベッドの中に入れてあげます。

福太郎「っていうことで、チルノの能力が凄いんはわかったけど、ちょーっと冷気を落としてくれるかな」

チルノ「ふふん。でしょー、あたいはすごいのさー!」

福太郎「せやねー。ホンマに凄いと思うわぁ。よいしょ、飛んどるんもしんどうない?」

チルノ「シンドウナイ?」

福太郎「あ、えーと、飛んでたら疲れるやろ?座って話しせん?」

チルノ「うん。お茶は冷たいのでいいよ」

福太郎「はは……。ちょーっと、待っといてな」

すっきー『あれー、福さん、寝たんじゃ……あら、お客さんですか?』

チルノ「うわっ!?隙間妖怪!」

すっきー『隙間幽霊が正解。』

福太郎「お茶とお茶受けにの甘食でよかったらどうぞ」

チルノ「あましょく?」

福太郎「甘いお菓子や。あ、そういうん食べれん?」

チルノ「甘いの大好き!いただきまーす」

福太郎「妖精は普通にもの食べるんやな……。すっきーの知り合い?」

すっきー『いえ、違いますよ』

福太郎「チルノ、いったい何処から入ってきたんや?」

チルノ「あそこ」

彼女が指さしたのは壁に掛かったトンネルの絵。ということはチルノは幻想郷の住人らしい。
10/100ページ
スキ