第参夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「ほんで、なんでクロの出番なん?」

クロ「コックリさんだよ」

福太郎「んー?」

クロ「あのな!私はもともと神様だぞ。コックリさんで交霊して質問しろよ。問いに応えてやるから」

福太郎「んー……心配やな」

クロ「なんでだよ!」

りんね「クロちゃん……だしねぇ?」

クロ「頭もいで投げ捨ててやろうか」

福太郎「それしたらきっと拾いに行くはめになるんは俺やけんやめて」

雪女「やってみたらいいじゃない。犬っころ風情にそんな真似ができるんなら、だけど」

クロ「この冷徹女ぁ~!」

由乃「まぁまぁ、まぁまぁ、喧嘩したって仕方ないじゃないですか」

福太郎「せやね。ものは試しってこともあるし」

クロ「テメーら……」

白菊【……】

雪女「……お前さ」

白菊【……】

雪女「白菊っ!」

白菊【は、はひっ!】

雪女「お前空気になりがちなんだからひとりで探しにいって来い」

白菊【あ、はい……そうしますね。】
スッ……

福太郎「腰が低いいうかなんや使いっぱしりみたいな」

雪女「持ちまえの念動力という並はずれた能力と本人の性格とっぽいさが不一致だから成り立ってるんだろうね。ああいう凄い力を持ってる奴は野心がないから使いこなせてるんだよ」

福太郎「なるほど」

雪女「ガキひとり満足に見られてない時点で大馬鹿ビッチだけどな」

福太郎「ビッチて……」

由乃「準備できましたよ」

福太郎「んっ、ほな十円玉をおいて……みんな指乗せたって」

りんね「やーん、なんかドキドキするわね」

雪女「無駄口たたくと指を潰すぞ」

由乃「や、やめてくださいよ?」

福太郎「こっくりさん、こっくりさん、おいでくださいませ」

クロ「おう!いいぞ。いいかんじだ。」

ズズッ……

福太郎「おっ、ホンマに動いとる」

りんね「でも、本人が目のまえに居るのにイチイチ十円の動きを見るのっておかしな話よね」

由乃「あははは、ですね」

雪女「犬っころ、白菊の娘はどこにいるか教えやがれ」

クロ「お前頼み方って……」

福太郎「動くいとるよ?」

ズズッ……ズズッ……

クロ「は?私じゃねーぞ?」

由乃「ええと、「お」「さ」「け」「を」「よ」「う」「い」「し」「ろ」……お酒を用意しろ」

雪女「何と繋がってんだコレ」

福太郎「……こっくりさん、こっくりさん、もしかして後楽さんですか?」

由乃「「せ」「い」「か」「い」……正解」

福太郎「おかえりくださいませ」

プッ……

クロ「なんであの狸に繋がるんだよ!」

福太郎「何気に後楽さんとの受信率高いんかもな」

雪女「結局失敗ね。ふぁっく!」

福太郎「雪母さん……今のはあくび?」

雪女「欠伸よ」

福太郎「んっ、まぁええですね。」
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