第参夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「娘でございます」

ゆうな「娘にございます」

福太郎「んっ、たぶん会ったことあるけど初めまして」

ゆうな「多分あったことあるけど初めまして酸いも甘いも知らないが苦味はしっている小鳥遊ゆうなでございます」

福太郎「なにこの自己紹介」

悠「おれが考えた大人を演出する自己紹介だ」

クロ「大間違いだろ」

ゆうな「犬耳お姉さん!!」

クロ「……ああ、確実に娘だな」

ゆうな「触らせてください。ありがとう」

クロ「まだ、いいって返事してねーだろ!」

福太郎「ちょっとぐらいええやん」

クロ「……」

悠「おれかせも頼むよ。このとおりっ!フンッ!」

クロ「ふんぞり返ってるだけだろ!!」

ゆうな「ババコンガが胸を張ってる時のポーズです」

クロ「知らんけど!!」

ゆうな「お父さんのガチバージョンの腹筋触っていいですから」

クロ「触りたくねぇよ!気持ち悪い!!」

福太郎「俺ちょっと触ってみたいんやけど」

悠「じゃあ、まず普通」

福太郎「んっ」

ぐりぐり……

悠「腹筋入れるぞ……んっ!!」

福太郎「んっ……おー……これはなかなか……」

クロ「……おい、なんだよ。気になるだろ」

ゆうな「わー、やわらかいしあったかいリアル犬耳さわっちゃったよー」

もにもにもにもに

クロ「コォラッ!!」

福太郎「素早いね」

悠「おれの娘だからな」

福太郎「親馬鹿やなぁ」

ゆうな「巷では馬鹿親ともいわれています」

悠「今日のおやつは無しな」

ゆうな「こうやって小さな仕返しをしてくるって小さいでしょ」

わしゃわしゃ
クロ「図体は無駄にでかいけどな……って、ブラッシングすんな!」

悠「既にてなづけ出したか」

福太郎「動物好きなん?」

悠「ティマーの才能があるんだ。」

福太郎「悠の眼から見て?」

悠「おれの眼から見て」

福太郎「それは……やや、贔屓はいっとる可能性あるなぁ」

悠「うん、かなり入ってるよ」

クロ「完全に肯定してんじゃねーよ」

ゆうな「よーしよーし」

わしゃわしゃ
クロ「だからブラッシングすんな!」

ゆうな「いいから、いいから」

クロ「コイツ、お前以上に引かないな」

悠「へへっ」

福太郎「褒められおもとる?」

悠「褒められただろ」

福太郎「……せやね」

クロ「お前も否定しろ!めんどくさがるなっ!」

ゆうな「尻尾も手入れするよー」

クロ「……もう好きにしろよ」
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