第参夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

ボンボン……

メリー「ねぇ、ねぇ、ご主人様」

福太郎「んー?」

ボンボン……

メリー「さっから聞こえてくる音はなーに?」

福太郎「んっ、お神輿っさんの太鼓やね」

メリー「おみこし?」

福太郎「秋のお祭りでお神輿っさん担いで町内歩くんよ」

クロ「私の神社も昔は小さいけど祭りごとしてたもんだぜ」

悠「今は?」

クロ「……」

悠「めっちゃ睨まれとる」

すっきー『(同じ事いいかけたっス…)』

福太郎「ああいうんて、さびれたら神通力的なもんとか下がるん?」

クロ「その土地由来の神とかならそうだけど私みたいな野良神には深く関わるわけじゃない」

悠「野良犬」

クロ「がぐっ!」

ガキン!

悠「あぶなっ?!」

クロ「がるるる!」

福太郎「ほら、あそこに見えるんがお神輿っさんや」

メリー「わぁー、なんかゴテゴテしてるー」

悠「ちょっとー!こっちヘルプ!なんかいまめちゃくちゃ本気の噛みをされたよ!」

クロ「テメーはいっぺんマジで泣かす」

悠「にゃーにゃーわんわん!」

すっきー『そっちの鳴くじゃないでしょーに……』

悠「わおーん」

クロ「テメェ……マジで喧嘩売ってんな」

悠「福ちゃん」

福太郎「ん?」

悠「なんで今日はこんなに沸点短いのこの子?」

福太郎「さぁ、機嫌が悪い日なんちゃう?」

悠「もしかして……あの日か」

クロ「ブチ殺す」

福太郎「ちなみに何の日?」

悠「ゴミの日、生ごみの匂いでイラついてるのかと」

クロ「うるせぇよ!生ごみやろう!!」

悠「おれも色々といわれて来たが生ごみと言われたのは……多分初めてだ」

すっきー『多分て事はもしかしたら言われたことがあるかもしれないんすね……』

悠「っか、福ちゃん適度にツッコミいれてくれよ」

福太郎「さっきからすっきーが一応適度にツッコミいれとるよ」

悠「おれに聞こえないのにイミテーション!!」

福太郎「……意味無いでしょう?」

悠「そういっただろ」

メリー「イミテーションいってたわよ」

悠「うん、いったよ」

クロ「コイツ……本当にムカつく」

悠「場を和まそうとしただけなのに」

福太郎「火に油やったね」

悠「不思議だよなぁ。いつもこういう感じになるし」

福太郎「不思議やね」

クロ「不思議でもなんでもねーよ!!」
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