第参夜『福太郎の不思議な日常』

ー夢見長屋付近ー

福太郎「……」

りんね「あら、福太郎くーん」

福太郎「ん?」

りんね「おーい、福太郎くーん、こっちこっち」

福太郎「んんっ?」

りんね(生首)「こっちよ、こっち」

福太郎「……なにしてはるんですか?」

りんね(生首)「ちょっと階段から落ちちゃってね。ここまでころがっちゃったの、てへ♪」

福太郎「てへっ……で済むような状態やないやけど」

りんね(生首)「それで悪いんだけど……体のところまで連れてってくれない?」

福太郎「ええですよ。よいしょ」

りんね(生首)「ありがとう」
ぼたぼたぼたぼた……

福太郎「あの喋らんといてください。めっちゃ血が吹きでとるんで……」

りんね(生首)「あら、私ったら///」

福太郎「……(照れるポイントが分からん)」


~首接着中~


りんね「ふぅ、ありがとう。助かったわ」

福太郎「ええですよ。」

りんね「階段踏み外しちゃうなんて恥ずかしいわ……あら、左手がその辺りに落ちてない?」

福太郎「左手、左手……あっ」

りんね「えっ?」

野良犬「がじがじ!」

福太郎「……もしかしてあの犬がかじっとるんて」

りんね「やーん、たべないでー!」

野良犬「がうっ?!」
ダッ!!

りんね「ちょ、咥えていかなっ……きゃっ!」

ズダッ!ぐちゃっ!!

福太郎「あーあ……こけたうえに石に頭ぶつけてえらいことに……」

りんね「もぉ~」

福太郎「とりあえず、犬は俺が追うんでセンセは身体治してじっとしといてください。余計にバラバラになったら困るんで」

りんね「ごめんねー、お願い」



~野良犬捕獲中~


福太郎「はぁ……かなり齧られたあとやな歯型まみれでヨダレがベトベト……んっ?」

りんね(生首)「……」

福太郎「……なんしてはるんですか?」

りんね「ち、違うのよ?部屋に戻ろうとしたら階段で自分の血に滑ってこけちゃって……」

福太郎「……よいしょ」

りんね「福太郎さんて優しいわよね///」
ぼたぼたぼたぼた……

福太郎「せやから血が吹きでとるんで喋らんといてくださいって」


~再度接着中~


りんね「首よし、手よし、うん完璧!」

福太郎「気付けてくださいよ」

りんね「ほんとにねぇ。ほほほ」

福太郎「まぁええですわ。ほな」

りんね「ありがとうね♪」



ー福太郎の部屋ー

福太郎「ただいま」

クロ「お帰りって……血生臭っ?!」

メリー「きゃー、血まみれ!!」

福太郎「風呂入るけん、洗濯よろしゅう……」
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