第壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「ただいま」

ミツバ『おかえりなさいです』

すっきー『おかえりなさいっス』

福太郎「……」

すっきー『どうかしてんスか?』

福太郎「いや……なんや、帰ってきて女の人に「おかえり」いわれるんは新鮮やな思て」

すっきー『あー……福さんって友達とか居なさそうですもんね』

福太郎「……」

ぐにぃぃ!
すっきー『いひゃい、いひゃいひゅ!ごめんなひゃいでひゅ!』

福太郎「まったく……。」

すっきー『痛っっ……もー、福さんも悠さんも容赦なさすぎスよ。』

福太郎「俺は悠君みたく貫手はしとらんやろ。」

すっきー『……あれ?』

福太郎「どないかしたんか?」

すっきー『福さんもあたしに触れるんですね。』

福太郎「あ……いわれてみればそうやな」

すっきー『って、意識してやってたんじゃないんスね…。』

福太郎「いや、だって、俺も今までちゃんと幽霊とか見たことなかったし。っていうか、金縛りとかもなったことないで?」

すっきー『えぇー、そうなんスか?めちゃくちゃ霊能力あるのかと思ってましたよ』

福太郎「無いと思っとたんやけどな。唯一の特技が動物と話せる程度やったし。なー」

ミツバ『ですねー』

すっきー『いやいや、それでも十分不思議な力でしょう……。』

福太郎「そんなんいうたら見えも聞こえも感触すら分かってへんのにすっきーに貫手当てた悠君はどないなん?」

すっきー『あの人はなんかめちゃくちゃ過ぎて分かりません。』

福太郎「せやけど悪い人やないで。」

すっきー『そりゃまぁ……あたしに名前(あだ名)付けてくれたし……』

福太郎「せやろ。ただ、怖い人やからそこは注意しといてな。九尾の狐とかとなんか対等に話したりするし」

すっきー『そのひと言で血の気が引いたスよ!!』

福太郎「自分血かよとん?」

すっきー『通ってないっスよ。けど、人肌。』


福太郎「あ、そう……そういや、ミツバは見えとるん?すっきーのこと」

ミツバ『はい、みえてますよぉ』

福太郎「ふーん、やっぱり動物は幽霊とか見えるんやな」

すっきー『ぽいですね。ただ、あたしはミツバちゃんが何を言ってるか分からないんですけどね。』

福太郎「その辺りは人間と同じか」

すっきー『そうスね。』

ミツバ『福さん、福さん、はずかしながら……お腹がすいてしまいました。』

福太郎「あ、せやね。ごはんにしよか。すっきーってなに食べるん?適当に買ってきたんやけど」

すっきー『え、ええぇ?!』

福太郎「な、なにごと?」

すっきー『いや、あたしにもご飯買ってきてくれたんスか?』

福太郎「そりゃ……まぁ、一応」

すっきー『わぁ……ちょっとカンドーっす。けど、あたし物とかに触れないんでご飯は食べられないんですよ。というか、食べなくても平気なんで』

福太郎「そうなんや……。」

すっきー『でも、気持ちは嬉しかったスよ!福太郎さん、ありがとうございます//』

福太郎「ええよ。(そかー……ふぅん、また悠と話して何か方法ないか聞いてみよかな)」
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