第弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「なぁーんや、蒸し暑いなぁ」

クロ「まだ日中も暑いからだろ」

福太郎「いっときに比べたら全然涼しいと思うけど、寝苦しいんはいややなぁー。」

クロ「私に愚痴られても困る」

福太郎「まぁ、せやろね」

クロ「すぐに納得されても腹が立つ」

福太郎「んー……どないせいと」

すっきー「窓全開にしたら少しはマシじゃないっすか?」

福太郎「いや、素直にエアコン入れる」

すっきー『軟弱っすね』

福太郎「なんといわれても安眠第一」

紫「遊びに来たわよー!」
にゅっ!

福太郎「ほな、電気消すで。おやすみー」

パチっ!

紫「ちょっと待ちなさい!今、ハッキリ目と目が合ってたでしょ!電気つけなさい!ライトアップなさいよ!」

福太郎「本日の営業は終了しました」

紫「いいから、とりあえず電気つけなさい!」

パチっ!

福太郎「はぁ……」

紫「いきなり溜息つかないでよ」

福太郎「なんですのん?」

紫「だから遊びに来たの」

福太郎「人が眠り出す時間帯に遊びに来るんはやめてください」

紫「まだ十一時じゃないの」

福太郎「ほな、一時間だけ相手します」

紫「一時間だけって」

福太郎「ええんやったら、電気消して寝るんで」

パチっ!

紫「いいわよ!いいから、電気つけなさいよ!」

パチっ!

福太郎「はぁ……」

紫「電気つけるたびに溜息やめなさいって」

福太郎「つい」

紫「ついじゃないでしょついじゃ。なに、この冷たさ。」

福太郎「ここ最近、鬼をかまって正直寝不足なんよねー」

紫「そう。」

福太郎「はぁ」

紫「謝るから溜息やめなさいよ!」

福太郎「別に謝ってくれんでも、寝させてくれたらそれでええんですけど」

紫「一時間したら寝ていいわよ」

福太郎「なるほど、一時間は居るつもりなんやね」

紫「今回は特訓してきたから負けないわよ」

福太郎「……ほな、ストⅡでもやりますか」


~約一時間後~


紫「……」

福太郎「あの、前回とさほど変わってないような気が……っていうか、昇竜拳のコマンド三回に一回しか入ってないですゃん」

紫「今日は調子が悪かったのよ」

福太郎「じゃあ、次は万全で来てください」

紫「ぐぬぬっ!」

メリー「……すっごい悔しそうな顔してた」

福太郎「せやね……あと、ちゃんと一時間で帰るところみたら悪い人では無いんやろね」

クロ「そもそも人じゃないし。悪くないヤツはこんな時間に遊びに来ないだろ」

福太郎「んっ、まぁ、今日はしんどかったけん悪かったけど、次来たときはちゃんとかまったげんとなぁ」

クロ「大妖怪相手に余裕だな」

福太郎「いや、もうなんか、急に遊びに来る変わった人にしか思えんようなってきてん」
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