第弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「たーだいま……って、酒臭っ?!」

クロ「お、おぅ…」

メリー「ごひゅじんさまーおひゃえひー…」

福太郎「えぇ、なにこれどういうこと…」

萃香「さぁ、どういうことだろうか……私にもさっぱり分かんないよ」

福太郎「あぁ、原因発見」

萃香「なーに、どいつだぁー!」

福太郎「このやりとりまだ続けなあかんかな?」

萃香「あひゃひゃひゃ」

福太郎「んー……会話が半一方通行」

すっきー『おかえりなさいっす』

福太郎「ただいま……。いつから?」

すっきー『三十分くらい前からっす……』

福太郎「三十分でこの惨状……。」

萃香「何処いってたんだよぉ。」

福太郎「月が綺麗やったからお月見やな」

萃香「おへーいいな!月見酒だ!」

福太郎「空気で呑めるかたやろ?」

萃香「まあねっ!」

クロ「これだから鬼と呑むのは嫌なんだ…」

福太郎「けど、呑んだんやから何も言えんと思うで」

クロ「……」

後楽「かっかっか、おいちゃんはまだまだいけっぞー!」

萃香「よぉーし乾杯っ!」

福太郎「うわぁ……揃ったらアカン系の組み合わせやん」

後楽「ほらほらほらほら、兄さんも駆けつけ三杯」
どぷどぷ…

萃香「どうぞどうぞどうぞどうぞ」
ダクダク…

福太郎「何の酒わからんようなもんを左右からジョッキに注ぐんやめてください。たぶん、これ飲んだら俺は朝日が拝めんようなるし」

後楽「なんだぁ、一杯目はアサヒがいいのか?」

福太郎「んっ、会話が半一方通行パート2」

萃香「それじゃあ、これはあたしが責任持っていただきますっ!ごきゅごきゅ……ふぃーっ!」

福太郎「呑みほしおった…いや、それより、なんで後楽さんがおるん?」

後楽「そうだぜおじさんはイケメンだ」

福太郎「悠に苦情いうてええ?」

後楽「いや、たまたまここの前を通りかかったら妖気を感じて中に調べに入ったら鬼が居て、コイツはいけないと呑み始めたわけだ」

福太郎「んー……一個一個潰してこか、どやってドア開けたんです?鍵は閉めといたはずやけど」

後楽「なぜかここに合い鍵があるんだよ」

福太郎「アカンとおもて呑み始めた理由は?」

後楽「おじさんタダ酒大好きだから」

福太郎「んー……怒ってええんやろか?」

すっきー『普通なら大激怒してもいいと思いますよ?』

福太郎「いやぁ、ごっつ淡々と話すけん俺の質問がおかしいんかと思ってしもて……」

クロ「洗脳されんな……。」

後楽「まぁまぁ、兄さんも呑めっておじさんの徳利の酒はひとが呑んでも大丈夫なやつだから」

福太郎「適当に酒をぶち込みまわった混合酒とかいわへんよね?」

後楽「どぶろくだ」

福太郎「……やめときますわ」

後楽「普通のどぶらくだぜ?」

萃香「じゃあ、あたしのにしなっ!」

福太郎「んっ、せやったら……このヒョウタンの中身少し貰ってええ?」

萃香「いいけど、なにすんだ?」

福太郎「友達にあげようとおもて……この瓶でええかな」

後楽「まさか、兄ちゃんにやるつもりか?」

福太郎「んっ、悠ならイケるやろ多分」

後楽「まぁ、呑んでも死ぬ酒じゃあないから兄さんでも呑めるはずだぜ」

福太郎「前に痛い目見とるけんヤです」
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