第弐夜『福太郎の不思議な日常』
ー夢見長屋近く商店街ー
べんっ♪べべんっ♪べんっ♪
細目の女性「にこにこ」
「暑いのにお疲れ様」
「今日も聴きにきちゃったわ」
福太郎「すごいもんやなぁ。椿さん最初来た時より上手になっとる」
由乃「こっちに来て三週間なのにすごいですね」
福太郎「んっ、そろそろ時間やね。椿さーん、帰るでー」
椿「はーい。あー、大車さん、お久しぶりです」
由乃「お久しぶりー元気だった?」
彼女の名前は椿。猫又という妖怪で三週間前、三味線を背負ってこちらにやってきた。三味線を活かして現代で生活したいそうだ。真面目で明るい性格の彼女はすぐに現代に溶け込み。三日後には夢見長屋を出てアパートに引っ越す。
ー百鬼襖の部屋ー
福太郎「ほな、すぐにご飯つくるわ。荷造りは食べ終わったら大車さんに手伝ぉてもろて」
椿「はーい」
由乃「はーい」
~福さんクッキング中~
「「「いただきまーす」」」
福太郎「ついに三日後には引っ越しやなー」
由乃「今夜中に荷物まとめちゃおうね。」
椿「はいバッチリです!」
福太郎「ほー」
椿「先日買った日用品は水回りと消耗品とそれ以外にまとめて服も衣替えが楽なように分けましたし、あとはダンボールにきちんと分類するだけなので三時間あれば大丈夫です!」
福太郎「いつのまに……」
由乃「すごいなぁ…」
椿「当たり前です!第一段階にたどり着くために計画を練ったので!」
福太郎「まめやなぁ」
椿「……夢に近づきました。将来もっと三味線を身近な音楽にしたくて」
福太郎「そういえば椿さんはどないしてその夢もったん?」
由乃「私も聞きたいなー」
椿「あ、いってませんでしたね。ちょっと長いけど……お話ししますね。」
私は道端で捨てられた仔猫でした。鳴く力もなく力尽きるのを待つばかり。そんな私を拾ったのは三味線弾きの男で……弱り切った私を根気よく世話してくれた甲斐あってか春が来るころにはすっかり元気になり。
私は椿という名を貰いました。
彼はいい人だったけど三味線を弾いてる時は苦手でした。
福太郎「んー……?」
椿「三味線には猫の腹の皮が使われています。それを思うと何かちょっと怖くて……」
由乃「なるほど…。」
椿「あまり三味線に近づかないまま私はおばあちゃんになりました。」
ある日、小さな声が聞こえました耳を澄ますと……
『うふふふうれしい大切に弾いてもらってうれしい。椿もあのひとみたいに私を弾けるよ。うふふふ』
死んだ猫にも愛される……彼の三味線への愛情を思い知ると同時に彼と三味線に強い憧れを持ちました。その憧れは私の身体を若くし寿命がきても私は死ななかった。
そうしているうちに私の尾はふたつに裂け私は猫又になりました。彼は人のような動きをする私を見て最初驚きましたが、すぐに喜んでくれました。
いっしょに家事をしたり。お月見しながら彼のひざでかつお節を食べたり……。
福太郎「ふんふん、楽しそうやね」
椿「楽しかったです!かつお節を食べ過ぎて怒られたこともありましたが……むー、今思うと私としたことが…」
福太郎「まぁ、猫の本能ってやつやし」
べんっ♪べべんっ♪べんっ♪
細目の女性「にこにこ」
「暑いのにお疲れ様」
「今日も聴きにきちゃったわ」
福太郎「すごいもんやなぁ。椿さん最初来た時より上手になっとる」
由乃「こっちに来て三週間なのにすごいですね」
福太郎「んっ、そろそろ時間やね。椿さーん、帰るでー」
椿「はーい。あー、大車さん、お久しぶりです」
由乃「お久しぶりー元気だった?」
彼女の名前は椿。猫又という妖怪で三週間前、三味線を背負ってこちらにやってきた。三味線を活かして現代で生活したいそうだ。真面目で明るい性格の彼女はすぐに現代に溶け込み。三日後には夢見長屋を出てアパートに引っ越す。
ー百鬼襖の部屋ー
福太郎「ほな、すぐにご飯つくるわ。荷造りは食べ終わったら大車さんに手伝ぉてもろて」
椿「はーい」
由乃「はーい」
~福さんクッキング中~
「「「いただきまーす」」」
福太郎「ついに三日後には引っ越しやなー」
由乃「今夜中に荷物まとめちゃおうね。」
椿「はいバッチリです!」
福太郎「ほー」
椿「先日買った日用品は水回りと消耗品とそれ以外にまとめて服も衣替えが楽なように分けましたし、あとはダンボールにきちんと分類するだけなので三時間あれば大丈夫です!」
福太郎「いつのまに……」
由乃「すごいなぁ…」
椿「当たり前です!第一段階にたどり着くために計画を練ったので!」
福太郎「まめやなぁ」
椿「……夢に近づきました。将来もっと三味線を身近な音楽にしたくて」
福太郎「そういえば椿さんはどないしてその夢もったん?」
由乃「私も聞きたいなー」
椿「あ、いってませんでしたね。ちょっと長いけど……お話ししますね。」
私は道端で捨てられた仔猫でした。鳴く力もなく力尽きるのを待つばかり。そんな私を拾ったのは三味線弾きの男で……弱り切った私を根気よく世話してくれた甲斐あってか春が来るころにはすっかり元気になり。
私は椿という名を貰いました。
彼はいい人だったけど三味線を弾いてる時は苦手でした。
福太郎「んー……?」
椿「三味線には猫の腹の皮が使われています。それを思うと何かちょっと怖くて……」
由乃「なるほど…。」
椿「あまり三味線に近づかないまま私はおばあちゃんになりました。」
ある日、小さな声が聞こえました耳を澄ますと……
『うふふふうれしい大切に弾いてもらってうれしい。椿もあのひとみたいに私を弾けるよ。うふふふ』
死んだ猫にも愛される……彼の三味線への愛情を思い知ると同時に彼と三味線に強い憧れを持ちました。その憧れは私の身体を若くし寿命がきても私は死ななかった。
そうしているうちに私の尾はふたつに裂け私は猫又になりました。彼は人のような動きをする私を見て最初驚きましたが、すぐに喜んでくれました。
いっしょに家事をしたり。お月見しながら彼のひざでかつお節を食べたり……。
福太郎「ふんふん、楽しそうやね」
椿「楽しかったです!かつお節を食べ過ぎて怒られたこともありましたが……むー、今思うと私としたことが…」
福太郎「まぁ、猫の本能ってやつやし」