第弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「なぁ、正直に答えてほしい」

福太郎「改まってどないしてん?」

悠「ああ、最初は気のせいだと思った。でも最近感づいたんだ……」

福太郎「んっ?」

悠「もしかしておれ、男前キャラ扱いされてないんじゃないか!?」

「「『うん』」」

悠「満場一致で肯定してんじゃねーよ!」

メリー「今さら何をいってんの?」

悠「?!」

クロ「悠は主に、ただその場の空気をブチ壊すキャラだろ」

悠「なんだよブチ壊すって!幻想殺しさんか!」

福太郎「幻想(イマジン)いうか……空気殺し(エアブレイカー)?」

悠「ちょっとカッコいいじゃんかよ」

すっきー『もう壊しましたっすね』

福太郎「せやねー。けど、そこが悠のええとこちゃう?」

クロ「空気読めないヤツの何が良いんだ」

悠「フラグクラッシャーとかエアブレイカーとか……よくよく考えたら何一つ身に覚えのない不名誉な与えられてショックだ」

クロ「こういう所が既に空気殺ししてるよな」

福太郎「まぁまぁ、ちょっとおもろいし見てよや」

悠「こうなったら、これからは……男前におれはなるっ!!」

福太郎「海賊王になるノリでいうたな」

メリー「それはもっと本気だと思うの」

悠「あー……どうしたら男前キャラになれるんだ?顔はいわゆる男前なのに」

クロ「コイツいま自分で男前だとかいったぞ」

福太郎「んー、別に悠の顔に不備があるとかやなくて……髪をどうにか処理したらええんちゃうかな?」

悠「じゃあ、今月から鼻の下まで伸ばすよ!」

メリー「なんでより長くなってるのよ!」

後楽「馬鹿か」

悠「あー?」

福太郎「ん?」

後楽「男前を決めるのは金でも顔でもねぇ。大事なのは……中身(ハート)だ!!」

福太郎「でも、そういうこという人に限って中身も酷いもんやね」

悠「福ちゃん、ナイス!いまのツッコミディールトだっ!!」

後楽「ふー……わかってないな、兄ちゃん達は男の価値を決めるのは生き様だ。人生を振り返り己が何を守り何を築いたかでソイツの価値が決まンのよ」

悠「で、テメェは何を気づいたんだよ」

後楽「借金」

福太郎「アカンなぁ」

後楽「あはははは」

悠「コォォォォッ……山吹色の(サンライトイエロー)……」

福太郎「待って……」

悠「止めてくれるな福ちゃん、おれは、コイツが、ハロワいくまで、殴るのをやめない!」

福太郎「いや、その気迫で殴ったら確実に部屋が血肉で汚れるけん、やめて」

悠「ごめんなさい」

クロ「少しは空気読んだな。ほんっのすこしだけ」

後楽「まぁ、でも兄ちゃんは少し贅沢すぎるんだよ」

悠「あー?どういう意味だ」

後楽「例えば……この写真見てみろ」

悠「うぉ…しもぶくれ、かぎ鼻、細めの麻呂眉」

福太郎「……なんというか平安美人?全体的な意味でまるで絵から出てきたみたいやな」

後楽「これかぐや姫だぜ」

悠「ぶっふぉわ?!マジで?嘘だろ」

後楽「いや、マジだ。正確に言うとかぐや姫だったヤツ。今は天人になってる。どう思うよ」
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