第弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「……」
『THE・WORLD!』

福太郎「……」
『おれが時を止めた。』

悠「……」
『ロードローラーだ!』

福太郎「……」
『てめーは、おれを怒らせた!』

悠「……」
『再起不能(リタイア)!!』

福太郎「……」
『やれやれだぜ……』

メリー「すごーい、ご主人様また勝った!」

福太郎「んっ、今のはええ感じやったね」

悠「ちょっと待ってくれ。おれは丸二日やりこんだんだぞ。なぜ、初めて約一時間もしないうちにボコボコにされ出したの?ついさっきまではおれが勝ってたのに……今ではフルボッコ」

福太郎「んっ、俺格ゲー好きやから。」

悠「たしかにおれは格ゲー苦手だけど、そこらのヤツには負けない程度には成長したはずなのに……っていうか、コンボがめちゃうめぇし、なに福ちゃんの成長速度はAクラスか……?!」

福太郎「いや、そこまでではないやろ。」

悠「しかし、ホントにPS3ごともってきた本人がボコボコとか中々の絶望を味わってるべ」

クロ「お前が井の中の蛙なだけだろ」

福太郎「いや、普通に下手ではないやん」

悠「もーいっかい、もーいっかい!」

福太郎「ええよ。つぎジョジョつかお」

悠「じゃあ、おれもジョジョ使う」

クロ「名前で言え!」

福太郎「ジョナサン」

悠「承太郎」


~対戦中~

『またまたやらせていただきましたーん!』

『再起不能(リタイヤ)!』

悠「ぐふぉ…。」

福太郎「んっ、勝った。」

悠「ごめん、ハンデくれ。マジで」

福太郎「いや、トントンやん。」

悠「トントンに見えてその最後の一手がまるで届かない」

福太郎「悠、自分で自分の限界決めたらアカンよ。」

悠「ぐふぁっ……いま、おれのハートがブレイクされた…再起不能」

福太郎「場外でも倒してしもた。ちょっと、CP対戦しててええ?」

悠「いいよ、おれに魅せプレイをしてくれ。」

福太郎「そんな味な真似はでけへんて」

悠「しっかし……意外だったわ。福ちゃんが格ゲー上手いとか」

福太郎「逆にシューティングとかシュミレーションはヘタやで、思い通りに動けへんし」

悠「その動かし方ができたらいけると思うんだけどな……」

福太郎「せやって、シューティングってガードでけんやん。一回当たったらドカンやし」

悠「福ちゃん、違う」

福太郎「ん?」

悠「そこは、ドカンじゃなくて……ぴちゅん」

福太郎「ぴちゅん?」

悠「そうそう」

『終わりのないのか『終わり』』

『再起不能!』

福太郎「んっ、ジョバーノ使いやすいかも」

悠「おれはジョリーンかな」

クロ「なんか、見てたら簡単そうだな。ちょっと私にやらせてみろよ」

福太郎「ほな、対戦する?」

クロ「おう。」

悠「フルボッコ、フルボッコ」

クロ「やかましいぞ雑魚!」

悠「てめーは……おれを怒らせた!」
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