第弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「いただきます」

悠「いただきまーす」

クロ「なんで、こいつもいっしょに飯食ってんだ」

福太郎「昼時に来たけんかな」

悠「まぁ、此処来る前に昼飯食ってきたんだけど、いただいちゃいます」

クロ「食ってきてんのかよ!」

福太郎「まぁまぁ」

悠「でも、全然食べられますからっ!」

クロ「しるかっ!」

福太郎「まぁ、それはかまんのやけど」

メリー「ご主人様、寛大」

悠「福ちゃん、すてきぃ~」

福太郎「いま、ちょっとだけムカッとした……」

悠「なんでやねんっ!」

クロ「いや、当然だと思う」

悠「当然だと思われちゃった♪」

クロ「チッ」

悠「面と向かってする舌打ちって結構簡単に人の心を傷つけるんだぞ」

クロ「お前は人じゃない」

悠「人だよ!この野犬!」

クロ「誰が犬だっ!」

福太郎「あのさ、二人とも座りなよ」

クロ「お前はふつーに飯食ってんなよ!」

福太郎「いや、でも冷めてまうし」

悠「本当に落ち着きの貴公子だな」

福太郎「そんな妙なふたつ名はいらんなぁ」

悠「カッコいいのに」

福太郎「悠のセンスはいつも時代を先取りしとるね」

悠「へへっ」

すっきー『絶対に褒めてねーっすよね』

クロ「本人が満足してんだからほっとけ」

すっきー『ですね、悠さん単純だし』

悠「ふっ…!」

ヒュッ!
すっきー『ひぃっ……!?』

悠「当たった?」

福太郎「外れたけど方向性はバッチリ。」

メリー「絶対に見えてるでしょ」

悠「見えてたらもっとすっごいことしてる」

すっきー『なにされるんスか?!』

クロ「でも、なんで見えても聞こえてもないのにベストタイミングで突こうとしたんだよ」

悠「なんというか……勘?」

クロ「無茶苦茶だな」

福太郎「第六感?」

悠「シックスセンスはないな。セックスセンスは……多少心得が」

福太郎「これは、一本取られたな」

メリー「下品な話しはやめてちょうだい」

悠「うしゃしゃしゃ」

クロ「お前も後楽と同種だよな」

悠「さすがにアレと一緒にされると本気で怒りかねないからおれが笑ってるうちに謝ってくれると助かる」

クロ「怒るってことは思い当たる節があるってことだろ」

悠「アホか!あの狸親父と一緒にされて怒らないヤツのが少ないだろっ!」

福太郎「なるほどな」

メリー「でも、なんで追いださないの?」

悠「追い出しても戻ってくるんだよ。帰巣本能マジウザい」

福太郎「そういうもんなん?」

クロ「私に聞くな」

悠「ついでにいうと普段はアニマル姿で娘たちの好感を掴んで追い出せない程度になじんでやがるんだよな……」

福太郎「さすが自分でジゴロいうだけのもんやね」

悠「あれが女にもてるなんておれは絶対に認めん!!」
78/100ページ
スキ