第弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「たーだいま」

りんね「おじゃましています。」

福太郎「んっ、あっ、どもです。どーかしました?」

クロ「客だとよ」

福太郎「んー?」

「はじめまして、お邪魔しています。」

福太郎「ん、ドーモ、初めまして……えーと?」

りんね「私の後任で福太郎さんとクロさんのサポートをしてくださる。大車由乃(おおぐるまゆの)さんよ。」

由乃「大車です。福太郎さん方のお話しは聞いていますので自己紹介は大丈夫です」

福太郎「えーと、つまり?」

りんね「ほら、私は学校の仕事があって合い間、合い間で備品とかを用意してたでしょ?でも、それだと何か急にってことになると駄目だから、彼女をメフィ先生が紹介してくれたの。歪業の正式サポート係。」

由乃「普段は大学に通ってますけど、卒業後には正式な歪業になりたいと思ってます。サポートのは高校の時からやっているのでお手数はおかけしないはずです」

福太郎「なるほど……。将来設計が出来てて立派やね」

由乃「いえ、そんなことは///」

福太郎「ってことは……大車さんは霊感があるん?」

由乃「私……ハーフなんです。人と妖怪の」

福太郎「んー、そうなんや。」

由乃「あの……驚いたりとかは?」

福太郎「いや、君ん隣りにおる人やこのまえ何をミスしたんか頭にバドミントンのラケットが突きささっとんのに平然と歩いてたし、鬼とか悪魔とかも居るんやからハーフくらいおるやろ」

りんね「もー、気がついてなら教えてよ!先生あのあとトイレの鏡見て気づいて顔から火が出そうなくらい恥ずかしかったんだから」

クロ「っていうか、まず刺さって時点で気がつけ」

福太郎「ってか、高校からいうことは普通に俺より先輩になるんやな」

由乃「そんな、私は備品を届けたりとかだけで、福太郎さんみたいに数月で二人も成功させてるとかのが全然凄いですよ。」

福太郎「凄いん?」

りんね「ハイペースだとは思いますよ。特に初日に鬼の人が来て保育士にしたっていうのは中々のものだとメフィ先生が絶賛していましたから」

福太郎「んー……」

りんね「どうかしました?」

福太郎「いや、一生懸命努力しとるんは鬼君しかり以津真天君やったから俺が絶賛されるんも変な話やなーおもて」

由乃「すごい謙遜家ですか?」

福太郎「すごい平凡なんは自負しとります」

りんね「まぁまぁ、褒められてるんだからいいじゃないですか。それより、メフィ先生が口座を教えてくれといってましたよ?」

福太郎「口座?」

りんね「報酬ですよ。手渡しだと色々と不便だから振りこみにするってことでしょう」

福太郎「なるほど、ほな、あとで連絡しときますわ」

りんね「お願いします。それじゃあ、由乃ちゃん、帰りましょうか。送っていくわ」

由乃「ありがとうございます。でも、大丈夫ですよ私は」

福太郎「ちなみにいいたぁ無かったらええんやけど、大車さんは何の妖怪のハーフなん?」

由乃「朧車(おぼろぐるま)です。」

福太郎「おぼろ車かぁ。」

由乃「だから力は強いですよ!」

福太郎「おぼろ車って力系統の妖怪なんや」

クロ「そりゃ車だからな」

福太郎「……そーいうもんなん?」

クロ「そーいうもんなんだよ」

りんね「ふふっ、それじゃあ、夜分にお邪魔しました」

由乃「お邪魔しましたー。」

福太郎「ん、ほなまた。」
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