第弐夜『福太郎の不思議な日常』
ー百鬼襖の部屋ー
以津真天【……】
福太郎「そら、彼だって人だとか妖怪だとか細かいこと考えてなかったんちゃうかな。最初は同情かもしれへんけど、だんだん君と居るんが楽しい思えたんやないかな」
以津真天【……】
福太郎「誰かになんかをしたげたいって思うんは友達だからちゃうかな。きっと…俺はいまの話聞いてそう思たし、これでも感動したんやけどな」
以津真天【……(ともだち)】
福太郎「けど、まずはご飯やね。無理はさせられへんし……けど、めちゃめちゃ頑張ってもらうで?」
以津真天【……(は、はい!)】
福太郎「ただ覚えることはたくさんあるで。きっちりとした恰好したり、花をかったり、お供え物したり……あっ、お酒をぶちまけたりしたらアカンよ?線香あげて手合わせたり……きっと全部できるようになる!頑張るで」
以津真天【……(おー!)】
~後日~
福太郎「そうそうそっちに回して……そや、うん、ちゃんとネクタイ結べとるよ!」
以津真天【……(難しかった…曲がっていませんか?)】
福太郎「大丈夫や。もう全部ひとりでできるね…」
以津真天【……(福太郎殿、ともだちのお墓に行って参ります。ありがとう)】
福太郎「いってらっしゃい」
ー某所墓の前ー
あの人のお墓。福太郎殿に習ったとおりに行動する。お供え用のお菓子や飲み物は半紙を敷いた上に置く。お酒を墓石にかけると化学変化で墓石が変色し、シミになることもあるので避ける。そして線香を点火して香炉に立てるか、線香皿の場合は横に寝かせる。線香の火は口で吹き消すのではなく、手であおいで消す。人間の口はとかく悪業を積みやすく、けがれやすいものなので、仏に供える火を消すには向かないかららしい……。
以津真天【……(今、あなたはあったかいですか?)】
「おや」
以津真天【!?】
「失礼、驚かしてしまったかな。貴方は父のご友人ですか?」
以津真天【コクコク!】
兜馬「そんなにびくびくしないでいい。私は小鳥遊兜馬、父の息子だ。彼女は…」
ミッシェル「秘書兼ボディガードのMicheleです」
以津真天【ぺこぺこ!】
兜馬「ああ、そうだ……父には不思議な友人が沢山いるようで、たまに墓参りに来てくれるのだ。その人が来ると沢山の羽が落ちている。もうそこら一面大きな羽が沢山な。いつまでもいつまでも会いに来てくれる人が居るのだから……あんな父でも幸せ者なのだろうな」
ミッシェル「墓参りというのは会いに来ることが大切。笑顔で会いに来たと……気持ちが大事なのですね。」
~~
以津真天『……(福太郎殿ますくをいただけますか)』
福太郎『ええけど、どないしてん?』
以津真天『……(私の口は醜く裂けていますこんな姿はとても…)』
福太郎『せっかくやから笑っとる顔、見せてきたらええのに。まあ強制はせーへんけど、以津真天がどういう気持ちでいるかが大切やで』
~~
兜馬「どうだろう、貴方はまた来ていただけるかな?父も喜ぶだろう」
私はますくをはずしていいました。
以津真天【いつまでも】
兜馬「は?」
変化を解いて大空へと羽ばたいた。羽を散らして……。
ミッシェル「……日本にはモンスター(妖怪)が実在するんだな」
兜馬「……少し働き過ぎているようだな。幻覚を見てしまった。」
ミッシェル「いや、居ましたから。羽も残ってますよ?」
ー福太郎の部屋ー
福太郎「以津真天くん、うまぁいったかな」
メリー「あっ、ご主人様、見て!」
一陣の風が吹き込んで極彩色の羽が一枚落ちてきた。
福太郎「んっ……いつまで、いつまで、いつまでも…か…」
以津真天【……】
福太郎「そら、彼だって人だとか妖怪だとか細かいこと考えてなかったんちゃうかな。最初は同情かもしれへんけど、だんだん君と居るんが楽しい思えたんやないかな」
以津真天【……】
福太郎「誰かになんかをしたげたいって思うんは友達だからちゃうかな。きっと…俺はいまの話聞いてそう思たし、これでも感動したんやけどな」
以津真天【……(ともだち)】
福太郎「けど、まずはご飯やね。無理はさせられへんし……けど、めちゃめちゃ頑張ってもらうで?」
以津真天【……(は、はい!)】
福太郎「ただ覚えることはたくさんあるで。きっちりとした恰好したり、花をかったり、お供え物したり……あっ、お酒をぶちまけたりしたらアカンよ?線香あげて手合わせたり……きっと全部できるようになる!頑張るで」
以津真天【……(おー!)】
~後日~
福太郎「そうそうそっちに回して……そや、うん、ちゃんとネクタイ結べとるよ!」
以津真天【……(難しかった…曲がっていませんか?)】
福太郎「大丈夫や。もう全部ひとりでできるね…」
以津真天【……(福太郎殿、ともだちのお墓に行って参ります。ありがとう)】
福太郎「いってらっしゃい」
ー某所墓の前ー
あの人のお墓。福太郎殿に習ったとおりに行動する。お供え用のお菓子や飲み物は半紙を敷いた上に置く。お酒を墓石にかけると化学変化で墓石が変色し、シミになることもあるので避ける。そして線香を点火して香炉に立てるか、線香皿の場合は横に寝かせる。線香の火は口で吹き消すのではなく、手であおいで消す。人間の口はとかく悪業を積みやすく、けがれやすいものなので、仏に供える火を消すには向かないかららしい……。
以津真天【……(今、あなたはあったかいですか?)】
「おや」
以津真天【!?】
「失礼、驚かしてしまったかな。貴方は父のご友人ですか?」
以津真天【コクコク!】
兜馬「そんなにびくびくしないでいい。私は小鳥遊兜馬、父の息子だ。彼女は…」
ミッシェル「秘書兼ボディガードのMicheleです」
以津真天【ぺこぺこ!】
兜馬「ああ、そうだ……父には不思議な友人が沢山いるようで、たまに墓参りに来てくれるのだ。その人が来ると沢山の羽が落ちている。もうそこら一面大きな羽が沢山な。いつまでもいつまでも会いに来てくれる人が居るのだから……あんな父でも幸せ者なのだろうな」
ミッシェル「墓参りというのは会いに来ることが大切。笑顔で会いに来たと……気持ちが大事なのですね。」
~~
以津真天『……(福太郎殿ますくをいただけますか)』
福太郎『ええけど、どないしてん?』
以津真天『……(私の口は醜く裂けていますこんな姿はとても…)』
福太郎『せっかくやから笑っとる顔、見せてきたらええのに。まあ強制はせーへんけど、以津真天がどういう気持ちでいるかが大切やで』
~~
兜馬「どうだろう、貴方はまた来ていただけるかな?父も喜ぶだろう」
私はますくをはずしていいました。
以津真天【いつまでも】
兜馬「は?」
変化を解いて大空へと羽ばたいた。羽を散らして……。
ミッシェル「……日本にはモンスター(妖怪)が実在するんだな」
兜馬「……少し働き過ぎているようだな。幻覚を見てしまった。」
ミッシェル「いや、居ましたから。羽も残ってますよ?」
ー福太郎の部屋ー
福太郎「以津真天くん、うまぁいったかな」
メリー「あっ、ご主人様、見て!」
一陣の風が吹き込んで極彩色の羽が一枚落ちてきた。
福太郎「んっ……いつまで、いつまで、いつまでも…か…」