第弐夜『福太郎の不思議な日常』
ー百鬼襖の部屋ー
福太郎「まずはサイズやな。大きさ縮めよか」
以津真天【……(大きさを縮める)】
福太郎「んっ、人間は大きいて180センチくらいがベストやね。鬼君は2メートルオーバーあったけど……とりあえずなるだけ小さぁなってみて」
以津真天【……(むむっ!)】
ズズッ!
福太郎「おっ、サイズは変えられるんやな。ほな人に化けてまずはこのジャージに着替えてみよか。」
以津真天【……(は、はい)】
福太郎「んー…」
以津真天【……(どうですか?)】
福太郎「ん、んー……服は着れとるけど姿変わってないね。そのまま人間の姿に変化してみよか」
以津真天【……(は、はい。う~ん……はっ!)】
変化しようと以津真天は急に元の大きさに戻って、服を破裂させながら羽を振り撒いた。
福太郎「ぶわふっ?!」
以津真天【……(す、すみません!)】
福太郎「んっ、ちょ、ちょっと驚いたけどええよ。ゆっくり頑張ってこか……まずはもう一回、小さぁなるところから」
以津真天【……(は、はい)】
ズズッ!
福太郎「よーし、そのままキープで……変化って全体をいっぺんに変えるんと部分的に変えるんどっちが楽なん?」
以津真天【……(部分的にの方が)】
福太郎「ん、よし、ほな……一番変化させやすい所から変えてこか、サイズは維持して」
以津真天【……(はい)】
以津真天は集中しているのか目を閉じた。じょじょに鳥の頭が人頭に変化していく。性みたいな雰囲気だったがどうやら男性らしい。線の細いどこか中性的の顔になってきた。
福太郎「おっ、できとるできとる」
以津真天【……(ど、どうですか?)】
福太郎「んっ、顔は完璧で身体の形はそれでええけど……手が羽のままなんと足もカギヅメのままやなあと尻尾」
以津真天【……(や、やってみます)】
福太郎「ん、でも少しづつでええからね。また気が抜けたら服がパァンって……」
ビリリ!
以津真天【……(あっ)】
福太郎「……ん、ええよ。ええよ。りんねさんがたくさん持ってきてくれとるし。二十回はいけるいける」
以津真天【……(すいませんすいません!)】
それから悪戦苦闘の約数時間後、ようやく人に化けられるようになった。ただし、どうしても口だけは変えられなくて鋭利な牙の並ぶ口元はマスクで隠すことにした。そして……
福太郎「ゆっくり、ゆっくり、そうそう右足、次に左足、そうそうその調子!うまい!初めてにしては凄いゃん以津真天」
以津真天【……(ふぅふぅ)】
壁に手を突きながら以津真天は初めて立った赤ん坊のようにヨロヨロと歩きだす……が、壁から手を離して次の足を出した瞬間足首が曲がって倒れてしまった。
福太郎「うわちゃ…大丈夫?ケガは……少し休んだ方がええんちゃう?」
以津真天【……(だめ少しも上達してない)】
福太郎「大丈夫やて。確実に上達しとるゃん。最初なんて人型にすらなれへんかったんやし!」
以津真天【……(でも、もっと頑張らなきゃ…もう一回!)】
福太郎「えぇっ…」
以津真天【……(んんっ……はっ……わっ!)】
ドテン!
福太郎「ちょ、今顔から落ちたで……」
以津真天【……(ううっ、も、もう一回)】
それから、何度も何度……いや、いつまでも、いつまでも歩こうと必死にトライし続けたが以津真天は転んだり、足をひねったりと見ている側が痛くなるほど失敗を重ねた。何が駄目というわけではない。彼にとって人間型で二足歩行するというのはそれだけ難しいことなのだ。
福太郎「まずはサイズやな。大きさ縮めよか」
以津真天【……(大きさを縮める)】
福太郎「んっ、人間は大きいて180センチくらいがベストやね。鬼君は2メートルオーバーあったけど……とりあえずなるだけ小さぁなってみて」
以津真天【……(むむっ!)】
ズズッ!
福太郎「おっ、サイズは変えられるんやな。ほな人に化けてまずはこのジャージに着替えてみよか。」
以津真天【……(は、はい)】
福太郎「んー…」
以津真天【……(どうですか?)】
福太郎「ん、んー……服は着れとるけど姿変わってないね。そのまま人間の姿に変化してみよか」
以津真天【……(は、はい。う~ん……はっ!)】
変化しようと以津真天は急に元の大きさに戻って、服を破裂させながら羽を振り撒いた。
福太郎「ぶわふっ?!」
以津真天【……(す、すみません!)】
福太郎「んっ、ちょ、ちょっと驚いたけどええよ。ゆっくり頑張ってこか……まずはもう一回、小さぁなるところから」
以津真天【……(は、はい)】
ズズッ!
福太郎「よーし、そのままキープで……変化って全体をいっぺんに変えるんと部分的に変えるんどっちが楽なん?」
以津真天【……(部分的にの方が)】
福太郎「ん、よし、ほな……一番変化させやすい所から変えてこか、サイズは維持して」
以津真天【……(はい)】
以津真天は集中しているのか目を閉じた。じょじょに鳥の頭が人頭に変化していく。性みたいな雰囲気だったがどうやら男性らしい。線の細いどこか中性的の顔になってきた。
福太郎「おっ、できとるできとる」
以津真天【……(ど、どうですか?)】
福太郎「んっ、顔は完璧で身体の形はそれでええけど……手が羽のままなんと足もカギヅメのままやなあと尻尾」
以津真天【……(や、やってみます)】
福太郎「ん、でも少しづつでええからね。また気が抜けたら服がパァンって……」
ビリリ!
以津真天【……(あっ)】
福太郎「……ん、ええよ。ええよ。りんねさんがたくさん持ってきてくれとるし。二十回はいけるいける」
以津真天【……(すいませんすいません!)】
それから悪戦苦闘の約数時間後、ようやく人に化けられるようになった。ただし、どうしても口だけは変えられなくて鋭利な牙の並ぶ口元はマスクで隠すことにした。そして……
福太郎「ゆっくり、ゆっくり、そうそう右足、次に左足、そうそうその調子!うまい!初めてにしては凄いゃん以津真天」
以津真天【……(ふぅふぅ)】
壁に手を突きながら以津真天は初めて立った赤ん坊のようにヨロヨロと歩きだす……が、壁から手を離して次の足を出した瞬間足首が曲がって倒れてしまった。
福太郎「うわちゃ…大丈夫?ケガは……少し休んだ方がええんちゃう?」
以津真天【……(だめ少しも上達してない)】
福太郎「大丈夫やて。確実に上達しとるゃん。最初なんて人型にすらなれへんかったんやし!」
以津真天【……(でも、もっと頑張らなきゃ…もう一回!)】
福太郎「えぇっ…」
以津真天【……(んんっ……はっ……わっ!)】
ドテン!
福太郎「ちょ、今顔から落ちたで……」
以津真天【……(ううっ、も、もう一回)】
それから、何度も何度……いや、いつまでも、いつまでも歩こうと必死にトライし続けたが以津真天は転んだり、足をひねったりと見ている側が痛くなるほど失敗を重ねた。何が駄目というわけではない。彼にとって人間型で二足歩行するというのはそれだけ難しいことなのだ。