第弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

コンコン!

福太郎「はいはい?」

りんね「こんばんわ」

福太郎「ん、ドウモこんばんわ。どないしはったんです?」

りんね「あのねぇ、メフィ先生が福太郎さんとお話ししたいって聞かないんですよ」

福太郎「メフィ……?」

メフィスト「ドーモ、こんばんは」

福太郎「わっ……ど、どうも」

メフィスト「わたくしメフィスト・レスと申すものなのデスが……少々、お話をさせてもらえませんデスか?」

福太郎「えと……」

りんね「見た目ほど悪い人じゃ無いので安心してください。胡散臭い人ではありますけど」

メフィスト「誰が胡散臭いデスか」

りんね「あ、ちなみに人間ではないんで遠慮はいらないです。」

福太郎「まぁ、ほな……どうぞ。狭いところですけど」

メフィスト「オジャマしまーす」

りんね「お邪魔します」

クロ「客か?」

福太郎「うん、お客さん。お茶よろしゅう」

すっきー『私ら引っ込んでたほうがいいっすか?』

福太郎「いや、問題ないと思うよ。メリーちゃんも人形のふりせんでええよ」

メリー「はーい」

メフィスト「ほー、ゴーストに自動人形(オートマタ)、狗神……なかなかの大家族デスね」

福太郎「はは、いつのまにやらこんな感じになってしもて……それでお話いうんは?」

メフィスト「えぇ、まずはわたくしは英語教諭を辞しているのはりんね先生や悠さんから聞いておられますネ?」

福太郎「はい、まぁ簡単にはですけど」

メフィスト「結構、ではわたくしの趣味については?」

福太郎「いや、全然」

りんね「変なもの集めることですよね。卒塔婆とか」

メフィスト「変なものではなく、稀少で貴重な物デース!卒塔婆なんて取ってきません!」

メリー「そとばってなに?」

すっきー『お墓とかにある板っす』

福太郎「ご趣味の方はわかりましたけど……それがなにか?うちに稀少で貴重な物やないですよ?」

メフィスト「強いて言えばオートマタなんかも貴重デスよ?」

メリー「……わたし!?」

福太郎「いや、あれは非売品かつ俺の持ちもんなんで無理です。それを捨てるなんてとんでもないのメッセージがでます」

クロ「ドラクエか」

メフィスト「それは残念…………っと、そうじゃなくて、別の趣味デス」

福太郎「別の……それは?」

メフィスト「Mediation」

福太郎「仲介?」

メフィスト「YES」

福太郎「ますます分からんのですけど」

メフィスト「順を追って説明シマースと、わたくしは人間界での暮らしが長いのデス」

福太郎「でしょうね。教師やなされとるくらいやし」

メフィスト「それで時々、人間界で暮らしたい妖怪にルールや等を教えているんデス」

りんね「私もそのひとりです」

福太郎「なるほど」

メフィスト「それでデスね。福太郎さん、貴方もやってみませんか?」

福太郎「…………はい?」

メフィスト「聞くところによると貴方はナニとでも意思の疎通ができる方だとか、中には会話がデキナイモノもおりますのデス」

福太郎「いやいや、無理ですて」

メフィスト「そしてなにより、貴方はスデーに多種多様な種と交流を諮っておられてマス。」

福太郎「たまたまであって成り行きでそうなっただけですよ」

メフィスト「モチロン、タダではありませんよ。」

福太郎「タダでなくとも大変なんでしょ?」

メフィスト「……」

福太郎「……」
57/100ページ
スキ