ｰ福太郎の部屋ｰ

悠「ふーくーちゃん、あーそーぼ」

福太郎「ええよ」

悠「はい、お茶受けに半端なく口内水分を奪っていくバウムクウヘン」

福太郎「何その夏場には凶器と化すようなバウムクウヘン」

悠「不味くはないんだけどやたら水分奪うんだよ。」

福太郎「はぁ……クロ、食べてみ」

クロ「人を実験台にする気か」

福太郎「毒物やないのに実験もなんも無いて」

クロ「だったら先に食べろ」

福太郎「……」

クロ「躊躇してんじゃねーか!」

悠「味は美味いぞ」

福太郎「あむ……わぁ、確かに口ん中パサッパサになった」

悠「だろ」

福太郎「お茶欲しい」

悠「クロ、至急お茶を準備なさい」

クロ「あー、コイツらめんどくせぇ!!」

悠「てってててて、ててっててって」

クロ「天国と地獄を口ずさむな!!ほら、お茶!」

福太郎「ゴクッゴクッ……はぁ、セーフ」

悠「なかなか面白いだろ」

福太郎「せやね」

クロ「何が面白いのかわかんねぇ……」

悠「お菓子で臨死体験」

福太郎「もち喉に詰めるんと同レベルやね」

悠「世の中には餅啜る爺だっているんだぞ」

福太郎「アレってなんなんやろね。公開自殺?」

クロ「やめろって」

悠「あとは……やたらマズイタコ焼きとかも知ってるけど」

福太郎「なにそれ」

悠「ちょっとした屋台なんだけど、たい焼き、大判焼は美味いのにタコ焼きだけ異常にマズイんだ。買ってこようか?」

福太郎「マズイんはええわ」

悠「ですよね」

クロ「……」

悠「おい、なんかツッこめよ」

クロ「どう突っ込めばいいのかわかんねぇよ!」

福太郎「メリーちゃん、バウヘン食べる?」

メリー「なにその略し方?!」

悠「バウンでどうだろう」

福太郎「バン」

悠「うぎゃあ、撃たれた～!」

福太郎「関西人みたいなノリするね」

悠「こーゆーことやってるとなぜか次の瞬間、蹴られたり殴られたりするんだけどな」

クロ「顔がムカつくしな」

悠「顔は関係ないでしょうがぁ!!」

クロ「うるせーよ!」

福太郎「まぁまぁ、二人ともバウムを食べて落ち着いて」

悠「あむ……ぱさぱさするよぅ」

クロ「水水……。」

福太郎「強制的に喋れんようにできるなコレ」

メリー「でも口に押し込むのが至難じゃない?」

福太郎「せやね」

悠「ごくごく……ぷはっ、はぁ。危なく昇天しかたぜ」

クロ「そのまま逝っちまったらよかったのにな」

悠「あー?」

福太郎「あぁ、なるほど……ふむ。」

悠「福ちゃん、なに納得した?」

福太郎「いや、別に」

悠「死因がお菓子はカッコ悪いぞ」

福太郎「死なへんて～」