第弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「福ちゃん、飲もうぜ」

福太郎「……いきなりやな」

悠「そこでさ焼き鳥の屋台見つけて買ってきたんだわよ」

福太郎「へぇ、焼き鳥の屋台……。」

すっきー『何気にここら辺て屋台多いですよね。よくラーメンとかパンとか夜泣き蕎麦も通ってるし』

福太郎「利用したこと無いけどね……。ってか、夜泣き蕎麦や通ってたっけ?」

すっきー『夜中の2時ごろによく通ってるっスよ』

福太郎「丑三つ時の夜泣き蕎麦て……。」

悠「なに、すっきーと内緒話してるんだよ」

福太郎「内緒話て俺の声は聞こえとるやろ」

悠「うん。」

すっきー『なんなんすか…。』

悠「まぁ、暖かいうちに食べようよォーー」

福太郎「わかったけん、真近くで叫ばんといて」

悠「酒は福ちゃんが提供してね♪」

福太郎「そっちのが高ぁつきそうやな」

悠「気のせい気のせい」

クロ「ねぎまはいらねーぞ」

悠「あぁ、犬にねぎは毒だもんな」

クロ「犬じゃねーよ!」

福太郎「今のは犬って認めた系やない?」

クロ「全然ちげーし!」

悠「福ちゃんは何が好きだ?おれは串カツだけど」

福太郎「焼き鳥の話題は?」

悠「焼き鳥だとももだな」

福太郎「カリカリに焼いた皮かな」

悠「皮か、おれはクニクニの方が好きだな」

福太郎「ちなみに味は塩」

悠「たれ」

クロ「真反対だな」

悠「そういう方が相性っていいのよね」

福太郎「あれ、従兄のひとともほな相性ええのん?」

悠「無理、生理的に無理、存在が無理、性格が無理、考え方が無理、ヤツと分かりあえることは無い」

クロ「超拒否してんな」

悠「拒否じゃない否定だ」

福太郎「仲ええんやね」

悠「どーしてそうなっちゃったの」

福太郎「ホンマに嫌いな相手やったらつっかからずに無視するんとちゃう?」

悠「本当に嫌いだからこそ……徹頭徹尾、完膚なきままに叩きつぶしとかないとダメなときもある」

クロ「ねぇよ。少なくとも親類間では」

悠「へっ、血がちょっとでも混じってる方がクソめんどくせぇんだよ。骨肉の争いとはよく言ったものでな」

福太郎「でも、悠なんかはそーいうん無視してそうやけどな」

悠「基本は無視するけど、柏は避けて通れないようなところで居やがるから……。あらゆる意味でめんどくさい存在だ。」

クロ「お前も充分めんどくさいしな」

悠「はっはっはー……何だと犬っころ」

福太郎「まぁまぁ、落ち着いて」

メリー「ご主人様のかぞくはー?」

福太郎「んっ、んー……元気なんとちゃうかな」

悠「……」

福太郎「まぁ、俺のことはええやん」

悠「ほらほら、焼き鳥をたべなさいよ!ほらほらっ!!」

メリー「やー!押し付けて来ないで!服にタレが付いちゃうじゃない!」

悠「オーデコロン」

メリー「やきとりの匂いなんてイヤ!」

福太郎「美味しそうやね」

クロ「いや、その感想はおかしいだろ」

悠「後楽なんて基本酒臭いぞ」

クロ「それは年柄年中酒呑んでるバカってことだろ」

福太郎「もしくは体臭が酒の匂いになっとるとか」

悠「両方ともあり得るからなぁ……。」
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