第弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「悠とさっきのは知り合いなん?」

悠「いや、赤の他人だ。他人と言っても人かどうかは不明だが」

福太郎「めっちゃ対処法ってか扱いなれとったようやけど」

悠「気のせいだ」

福太郎「んー、まぁ、ほなそういうことにしとこか」

悠「しかし、福ちゃんはなんであれに絡まれてる?金でも貸りたか?」

福太郎「いや、借りてないよ」

悠「だろうな。ヤツは他人に借りることはあっても金は貸さないはずだ。」

福太郎「たかり?」

悠「守銭奴だ。借りて返そうとしないから、絶対に金を出すなよ。」

福太郎「……ん、アレ?後楽さんと同じ系?」

悠「狐狸妖怪が怒ってくるぞ……いや、まぁ確かにアイツにも金を貸したら帰って来ないが……種類が違う。後楽は金がない、ミハイルは金はあるが例え一円でももらえるなら奪ってくヤツだ」

福太郎「貰えるのに奪うて」

悠「まぁ、なんにしても関わり合いになるとしつこいヤツだ。いったい、なにがあった?」

福太郎「えーと、なぁ……ミハイルが宇宙の人と会話しよるんをみてしもた」

悠「……はぃ?」

福太郎「まんまグレイみたいなんと話しとったんよ。いやぁ、UFOも見たしね」

悠「……ごめん、妖怪とか幽霊はまだギリギリ受け止められるけど宇宙の方はキャパ範囲外だわ」

福太郎「俺も濃厚に関係を築きたいわけではないよ」

悠「しかし……福ちゃんもめんどくさい場面に出くわしたんだな」

福太郎「夜中トイレに起きたんが間違いやった」

悠「生理現象はしかたないさ」

すっきー『結局なんだったんすか?』

福太郎「いや、よーわからん」

メリー「あの変なのが来てたの?」

福太郎「そうなんよ」

メリー「また刺す?」

福太郎「んー、それはまぁ、ええわ」

悠「刺したのか……?」

福太郎「昨日逃げる際にメリーちゃんがざっくりと」

悠「あいつの体液に触れたら大変なことになるぞ」

福太郎「あぁ、紫色やったわ」

悠「え、おれは前に深緑色の体液を撒き散らしてたのを見たけど」

福太郎「……」

悠「……」

福太郎「怖いけん、考えるんはやめよ」

悠「そうだな」

メリー「けど、どうやってここ見つけたのかしら」

福太郎「自分の血の匂いで追って来たらしいで」

悠「あいつ、ついにはそんな能力も手に入れたのか」

福太郎「というか、俺が追われとる理由がよー分からんのやけど」

悠「あー……多分嫌がらせじゃないかな」

福太郎「なにその理由」

悠「あいつは人をおちょくることを生きがいにしている。全力で嫌がらせしてくる奴だ」

メリー「いっしょね」

悠「どうしておれを見てる?ん?人形小娘、アダルトフィギュアみたく魔改造してやろうか」

メリー「イーっだ!」

福太郎「まぁまぁ、ここでケンカしても意味ないやろ。とりあえず……すわろ」

悠「だな、玄関で立ち話も何だし」

メリー「なんでアンタがいうのよ」

悠「遊びに来たからだよ」

メリー「意味が分かんないっ!1」

福太郎「ケンカやめなて」
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