第弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

りんね「はい、できた。モツ煮よ」

福太郎「りんねさんはアレなん?モツ系の料理が好きなん?」

りんね「大好きよ。」

福太郎「さいですか…」

りんね「隠し味も入れてあって美味しいでしょ」

福太郎「微妙に怖いんはなんでやろか」

りんね「うふふ。って、今何時?」

福太郎「なんじ?」

メリー「いちじまえよ。」

福太郎「一時前」

りんね「あら、大変。行かないと」

福太郎「あれ、食べてかへんの?」

りんね「今日は学校見学なの」

福太郎「へぇー……え?」

りんね「ん?」

福太郎「学校って……」

りんね「ある人のコネでとりあえず副担で先生やるの」

福太郎「思いっきりコネいうてますね……いや、それより大丈夫なん?その……部位破壊とか」

メリー「ご主人様、その言い方はなんか変」

すっきー『部位破壊って』

りんね「なれてるから大丈夫よ」

福太郎「いや、センセ自身の話しやなーて」

りんね「ごめんなさい、お話しは帰ってからしましょうね。いそがなくちゃ」

福太郎「あっ……いそいで走ってぶつかったりこけたりしてバラバラにならんようにしてくださいよ!」

すっきー『先生になれますかね』

福太郎「小中学生やったら泣くと思う」

すっきー『いや、あれはスプラッタ耐性ないと大人でも引きますよ』

クロ「ただいま」

福太郎「ああ、お帰り」

クロ「今そこの階段下でまたバラバラになってたぜ。あのゾンビ女」

福太郎「……」

すっきー『踏みはずしたんすね』

福太郎「モツ煮たべよかな」

クロ「私パスいまさっきモツ見たし」

福太郎「わりとナイーブやな」

クロ「私は死体に群がる野犬じゃねーんだよ」

すっきー『てゆーか、その会話しながらよくモツ煮食べられますね……』

福太郎「そーいうんは俺わりとへいきなんよ。まぁ、ミンチ見ながら飯食えいうたら無理やけど」

クロ「それやりだしたらもうただ精神がやんでるヤツだよ」

福太郎「かもしれんね。ところで頼んどいた絵具買って来てくれた?」

クロ「……あっ」

福太郎「……」

メリー「……」

すっきー『……』

クロ「……か、買いなおしてくればいいんだろっ!」

福太郎「なんもいうてないやん。ええよ、散歩ついでに自分でいくし」

クロ「うっせぇ!私が行くよ!」

福太郎「なんもいうとらんのに……ってか、そこまでムキにならんでも……」

クロ「買い物ひとつまともにできないとか思ってんだろ!」

福太郎「被害妄想やってそれ……ほな、分かった。二人でいこ」

クロ「ガキじゃねぇんだよ!」

福太郎「えぇ……」
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