第弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「日曜の昼はカレーだよな」

福太郎「俺らは昨晩からカレーやけどね」

後楽「でも、この時期にカレーなんてカビらせる確率高いのによく作ったな」

福太郎「元をただせば野菜が痛みかけやったから全部ぶち込んだんよ」

悠「なるほど、いい処理方法だ」

クロ「てゆーか、せめーよ。なんだこの人口密度!」

悠「人は二人だけだけどな」

クロ「こまけーこというなっ!」

福太郎「けど、たしかに四人はキツキツやな」

すっきー『私なんてベッドに追いやられてるし……』

メリー「床に降りたら踏み潰されそうで怖いわ」

福太郎「メリーちゃんはドールハウスがあるやん」

後楽「これは売ってんのか?」

福太郎「ええ、売っとりますよ」

後楽「最近の玩具ってのはすげぇな」

悠「ジオラマだってよりリアルに仕上げたいだろ」

後楽「なるほどな、このヤドカリなんて本物そっくりだ」

メリー「ザザミンは本物よ」

悠「ザザミン?」

福太郎「名前。ヤドカリの名前や。ダイミョウザザミかショウグンギザミでなやんでダイミョウの方になったんよ」

悠「最終的にはシェンガオレンになるといいな」

福太郎「砦のやつは倒しやすいしな」

悠「でも、あれで弱点が龍属性ってのが納得できん」

福太郎「背中に一応龍のパーツせおとるゃん」

クロ「あっちー、なあ、エアコンかけるぞ。」

福太郎「あ、うん。ええよ。」

後楽「暑いなら脱ぐといいぜ」

悠「おっしゃ、任せろ。おれの肉体をみろや!!」

後楽「やめてくれ、兄ちゃん」

福太郎「腹筋がえげつないくらい割れとるなぁ」

悠「いやいや、本当にえげつない奴はチョコレートみたいな割れ方してるからな。殴ったのに筋肉だけで弾き返されたりもするし」

福太郎「なにそれこわい」

悠「うん、おれもあれは普通に怖い」

後楽「いいからしまってくれ。暑苦しくて見苦しい」

悠「どこがだよ。この腹筋わみろよ!!」

クロ「おい、なんか変なスイッチはいってねーかアイツ」

福太郎「ぽいな。でも害ないしええやろ。」

クロ「いや、すっきーが可哀想だろ。」

すっきー『目のまえで筋肉見せつけられるッすー!近いよー!怖いよーっす!!』

福太郎「見えてないはずやのにあそこでポージングするところが悠の恐ろしいところやな」

後楽「え、見えてないのか?わざとああいうセクハラしてんのかと思ってたぜ」

福太郎「いや、ホンマにみえてなーて、聞こえとらんみたいですよ」

悠「どうかしたか?」

福太郎「いや、悠は大胆やなーって」

悠「いやぁ、謙虚なものですよ」

クロ「それはねーよ!!」

悠「下も脱いでほしいって?」

クロ「いってねーわ!!」

福太郎「男のストリップショーはいらんなぁ」

悠「……じゃあ、片割れ呼んでくるか?」

後楽「おじさん、はりきっちゃうぜ!」

福太郎「これ以上、密度あげるんはちょっと」

悠「だよな」
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