ｰ福太郎の部屋ｰ

福太郎「いまいちやな」

クロ「搔き揚げをサンドイッチの具にするって発想が間違ってんだよ」

福太郎「コロッケとかメンチとか揚げ物が多いしイケると思ったんやけどな」

悠「そうか?おれはそこそこイケるが」

クロ「味音痴か」

悠「美食家も舌を巻く食通なめんな」

福太郎「そーなんや」

悠「まぁ、適当言ったんだけどな」

福太郎「うん、しっとったよ」

悠「ですよねー」

メリー「動く嘘つき」

悠「それは褒め言葉だぞ。」

メリー「イーっだ。」

悠「ヤドカリの丸焼きって美味いかな」

福太郎「ヤシガニくらい大きい無かったら食べれんこと無い?」

メリー「食べちゃダメっ!」

悠「食わんよ。おれが好きなのはカニだ」

クロ「お前なら食いそうだけどな」

悠「普段、どういう目でおれを見てるんだ……」

クロ「人でなし」

悠「わんわんに人でなしとかいわれた」

クロ「犬じゃねーよ」

福太郎「そこはもうええやん」

クロ「よかねーっての!」

悠「ウチにもいるんだよな。「カゲコ」って名前なのにカゲコって呼んだら怒るヤツ」

福太郎「ふーん……っで、ホンマの名前は?」

悠「影の子と書いて「エイコ」って読むらしい」

すっきー『ちゃんとした本名あるんじゃないっすか』

福太郎「あぁ、それでカゲコか。」

メリー「そうじゃなくてちゃんとした読み方あるんじゃない」

悠「時として正解が正しいとは限らない」

メリー「意味分かんない」

悠「脳みそがヤドカリ程度の大きさだしな。しかない」

メリー「刺す。」

悠「良し来い。プチトマトをぶつけてやる」

福太郎「食べもんで遊んだらいかんよ」

悠「美味しくいただくなら別に遊んでいいと習った」

福太郎「なるほど、それも一理あるな」

クロ「ねぇよ!」

福太郎「でも、アメリカの乳牛祭りは牛乳プールの中に沈めた長靴を引っ張り出して走ったり。二リットル飲んで走るレースとかあるんやで?一回飲んだら吐しゃってもええルールで」

悠「トマト祭りだって街規模でトマトのぶつけあいだぜ?」

クロ「ここは日本だ!」

悠「だからなんだ」

クロ「日本の祭りにはそんなもんはない!」

福太郎「奇祭が多いんは日本も同じやと思うけど」

悠「寒い夜に鬼が包丁振りかざして襲ってきたり」

クロ「なまはげを酷いいい方するな」

福太郎「珍宝いうて巨大な男性器を象った神輿を掲げて練り歩いたり。男性器や女性器を象った飴を売りさばいたり」

クロ「……」

悠「文字どおりの火祭りなんてのもあるしな。松明に火を着けまくって町一色火祭り」

メリー「でも、食べ物投げるのと関係ないよね」

悠「……いえーい、プチトマトどーん」

べちっ!
メリー「ぷぎゅっ!も、もー怒った!!」

福太郎「無茶はせんようになー」