第弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「全身が熱いときは水飲むよりアイスとかを食べる方が冷えるんだよな」

福太郎「せやっけ?」

悠「っで、おれはそこそこ熱い」

福太郎「んー……」

悠「アイス食べたいなぁ。かき氷でも可」

福太郎「クロ」

クロ「ヤダよ!!なんでわざわざ私が準備しなきゃいけねーんだ」

悠「家事手伝いだから」

クロ「誰が家事手伝いだ!!」

福太郎「家事手伝いやろ」

クロ「なんだと…!」

悠「いいから、おれにご奉仕するか揉み倒されるか選べ」

クロ「呪い殺しすのコマンドだ」

悠「デスペル、デスペル、エスナ、エスナ」

福太郎「ちゃちゃちゃらちゃらー、ちゃちゃちゃっちゃちゃー」

クロ「戦闘BGMを口ずさむな」

悠「コマン、揉む」

クロ「触るなッ!」

福太郎「コマンド、エアロ」

パタパタ…
メリー「すずしぃー♪」

悠「コマンド、揉む」

クロ「その一択しかねーのかよ!」

福太郎「コマンド、ウォータ」

シュッシュッ…
メリー「やーん、つめたーい♪」

悠「ちょっと待って、こっち汗だくで攻防してるのになんでそっちそんな楽しそうなの」

福太郎「いやいや、白熱した攻防戦やで。エアロ(団扇)とウォータ(霧吹き)で」

クロ「どう見ても遊んでるだろっ!」

福太郎「いや、自分らも遊んどるやろ」

悠「そだよ」

クロ「私をまきこむなっ!」

ぴんぽーん!

福太郎「ん?誰やろ」

悠「ほっとけ、ほっとけ」

クロ「でるよっ!」

悠「……何だかんだで動いてるよな」

福太郎「クロは元気やしな」

クロ「おーい、福太郎。客だ」

りんね「こんにちわ。あらあら、悠君もいるのね」

福太郎「あら、せんせ」

悠「あ、福ちゃんも先生って呼んでんだ」

りんね「あのね、お買い物行くんだけど付き合ってくれないかしら」

福太郎「ええですよ」

りんね「助かるわぁ。」

悠「ってことは……おれも強制か」

福太郎「別に帰ってもええよ」

悠「ついてくよぉー、そんな冷たいこというなよぉー」

福太郎「え?今の冷たかった?」

悠「そうだよな。福ちゃんは、そうだよな。だから好き」

福太郎「ほな、クロ、メリーちゃん留守番よろしゅう」

悠「はい、無視いただきました」


ー池袋界隈ー

福太郎「んー…………ええ天気やな」

りんね「ですねー、きゃっ……!」

悠「転ぶなッ!!」

ガシッ!びちゃ…
りんね「……っと、悠くんさすがぁ」

福太郎「いや、潰れてますて。センセの手潰れてますて」

悠「チクショー……出かけて五分でおれの手がスプラッタ」

りんね「はい、ウエットティシュ」

悠「……」

福太郎「手の方は平気なん?」

りんね「すぐに治るわよぉ」

悠「こっちは落ちない……ウェットティシュ程度じゃ落ちない……」
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