第弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

すっきー『っで……結局泳がずに帰ってきたんすか。』

福太郎「んー……そやでー……はぁー……」

すっきー『泳いでないのにくたびれすぎてないっすか?』

福太郎「暑さにまいっとるんよ…」

クロ「だらしねぇな」

福太郎「年相応の疲れやとおもうんやけどなぁ~」

すっきー『引き換え、メリーちゃんは元気っすね』

福太郎「亀乗っとったしな」

すっきー『亀?』

メリー「ねぇねぇ、この子ってなに食べるの?」

ヤドカリ【……】

クロ「ヤドカリならヤドカリだろ」

メリー「共食い?!」

クロ「ザリガニがそうだからそうじゃねの?多分」

すっきー『その子拾ってきたんスか?』

メリー「ずーっと追いかけてきたの」

福太郎「たぶん、メリーちゃんに惚れたんやろ。やたら甲殻類に追いかけられとったし」

クロ「妙なのに好かれるんだな」

メリー「妙とかいわないでっ!」

福太郎「あついわぁ……すっきー、ちょっと上に乗って」

すっきー『いやっすよ?!』

福太郎「ええやん、冷たいんやし」

すっきー『ひとを冷感マット扱いしないでください』

福太郎「冷感ってか霊感マット」

すっきー『わぁ、ムカつくっス』

クロ「てゆーか、水風呂にでも浸かればいいんじゃね?」

福太郎「うごきたぁない」

クロ「めんどくさがりか!」

福太郎「疲れとるっていうたやん」

すっきー『うつ伏せで倒れたままのがつかれないっすか?』

福太郎「よいっ……しょ」

ごろっ!

クロ「転がって動くな」

福太郎「ちょっと一時間くらい寝るわ。枕とってすっきー」

すっきー『むちゃいわんでください』

クロ「ほら、枕」

ボスっ!
福太郎「……」

クロ「動けよ!どけろよ!」

福太郎「まくら投げは修学旅行だけにしとき」

クロ「いかねーよ!」

福太郎「はぁ、やれやれ」

クロ「なんか、ものすっごくムカつくな」

福太郎「一時間したら起こしてな、すっきー」

すっきー『なんで、全部私に頼むんスか……』

福太郎「クロにいうても聞いてくれんもん。けど、こうやって間接的にいうとったら動いてくれるやろ」

クロ「つまり、最終的には私がやるんじゃねーか!」

福太郎「せやね」

クロ「永遠に眠らせてやろうか」

福太郎「……」

クロ「ノーコメントやめろよ」

すっきー『あ、そうじゃなくて寝てるみたいっスよ』

福太郎「すぅすぅ……。」

クロ「何なんだコイツはホント……」

メリー「私も寝ちゃおっと一時間したら起こしてね」

クロ「ガムテープで柱に貼りつけといてやろうか」
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