第弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「んー……」

悠「なに?どっかいくのか?」

福太郎「おっと……無言で侵入するんはやめてくれん?」

悠「ドアが開いてたもので」

恋「それにしたって不法侵入じゃろ」

悠「とかいってお前もしっかり入ってきてるじゃん」

恋「恋はノックはした」

福太郎「ノックしても返事せなアカンと思うよ」

悠「まったくだ。礼儀知らずの座敷娘だな」

恋「そんな吉原遊廓の遊女みたいな言い方はやめんかっ!」

福太郎「んで、何しに来たん?」

悠「あぁ、遊びに来た……っが、荷物がしゃがしゃして何してんの?」

福太郎「あぁ、昔描いた絵の処分と新しい木枠作り……。」

悠「捨てるんならおれにくれよ」

福太郎「いや、でも大分ボロボロやし」

悠「じゃあ、これとこれ貰うな」

福太郎「うん、話し聞かん子やな」

恋「人の話しは聞かんし、自分の言いたいことだけは言う迷惑な生き物じゃ」

悠「THE・尻わらし……」

恋「蹴るぞ///」

悠「じゃ、貰ってくな」

福太郎「ええけど。」

恋「二人して無視るでないっ!」

すっきー『なんだかんだで息ぴったりなんですよね……』

恋「迷惑な息の合い方じゃ……」

悠「でも、こっちの荷物はなんだ?どっか行く気満々ぽいけど」

福太郎「んっ、次の休みどっか海か山いこかなーおもて」

悠「なに、いつからそんなアウトドアボーイになったの?」

福太郎「絵描きに行くだけやけど」

悠「あぁ、納得。それでアレだろ。海の絵は描くけど入らないし、山も車とかバスとかでいける所までで登らない系だろ」

福太郎「大体は正解やね」

恋「人として間違っとらんか?」

悠「いや、おれも良く分かるよ」

福太郎「悠は元気で若いんやから夏休みとかワンパクになるんちゃうの?」

悠「バカ言うな畑仕事に全力を注いで、冷房ガンガンに冷やした部屋でビールを傾けながら読書タイムに決まってんだろ」

福太郎「極力いえからはなれんと……?」

悠「いやー、でも茶屋とか夜は學校とかで結局うろうろするんだよなぁ」

福太郎「フットワーク軽いなぁ……」

悠「ビバ風林火山!」

福太郎「使いどころがここなんや」

悠「っで、海ってどの辺いくの?」

福太郎「んー……湘南とかかな」

悠「へー、次の休みっていつ?」

福太郎「今週末」

悠「朝何時に来たらいい?」

福太郎「ながれてきにそーかなーとはおもっとたけど着いてくる気?」

悠「おれがいると車出るぞ」

福太郎「何時間も運転してくれるん?」

悠「当然交代しながらだよ」

福太郎「それ、電車のが楽やろ絶対」

悠「こまーこたぁいいんだよ」

福太郎「んー……まぁええけど」

恋「嫌なら断ることも覚えた方が良いぞ」

悠「THE・尻わらし」

恋「尻いうなっ!」
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