第弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「あっつい……」

すっきー『梅雨あけてから猛暑っすよね……』

福太郎「ん、すっきー起きたん?」

すっきー『最近は夜型じゃなくなってますから……って、あれクロさんとメリーちゃんは?』

福太郎「遊びに出てった多分どっかで避暑っとるんとちゃうかな」

すっきー『クロさんはともかくメリーちゃんは大丈夫っすか?』

福太郎「賢いしへいきやろ。」

すっきー『ですかねぇ……』

福太郎「……」

すっきー『……』

福太郎「二人っきりやね」

すっきー『へっ?な、なんすか急にっ///』

福太郎「いや、ミツバも出かけとるし思ったことを口に出しただけなんやけど、どかした?」

すっきー『いえ……』

福太郎「んー、暑いわぁ……なんか冷たいもんあったかな」

すっきー『昨日アイス買ってませんでしたか?』

福太郎「んー……みごとに無ぁなっとう」

すっきー『一日で全滅っすか』

福太郎「わりとクロがたべるしなぁ。」

すっきー『よくお腹こわさないっすよね。』

福太郎「氷しかないな……かといってかき氷機はないし。砂糖かけて舐めよか」

すっきー『それはあまりにもわびしいかと』

福太郎「こうなったらこれやな……ビール~」

すっきー『飲むんスか……』

福太郎「しかもエビス」

すっきー『しかもの意味がちょっと……』

福太郎「発泡酒やなくてホンモンのビール」

すっきー『はぁ……なにも食べずに飲むのは身体に悪くないっすか?』

福太郎「んー……冷ややっこで」

すっきー『わぁー……そのまんま』

福太郎「お手軽って事で……しかし、幽霊に身体心配されるって不思議なもんやな」

すっきー『私は見つめるだけで別に呪い殺したりする類のじゃないですし』

福太郎「ふむ、なるほど、よいしょっと……」

すっきー『……あの』

福太郎「ん?」

すっきー『なんで私の前に置くんスか?』

福太郎「まぁ、雰囲気だけでもと思って……あと、より冷えんかなーって」

すっきー『冷蔵庫じゃないっすよ!』

福太郎「ひんやりしとるけど……無理か」

すっきー『そういうのは雪女とかに頼んでくださいっス』

福太郎「知り合いにおるん?」

すっきー『いや、居ないっすけど』

福太郎「そもそもこの暑さやったら雪女もとろけるやろ」

すっきー『都会だとキツイでしょうね……』

福太郎「あ、ほなこうしよう。すっきー、とりあえず俺の背中から追いかぶさってくれん?」

すっきー『冷感用品じゃねーっす!!』

福太郎「バレたか……」

すっきー『当たり前っすよ』

福太郎「今年の夏はすっきーで乗り切る気満々なんやもん」

すっきー『なんてえげつないことを……』

福太郎「家賃がわりってことで」

すっきー『酷いっす!』

福太郎「乱暴するわけでもなし」

すっきー『でも、私に触れるじゃないっすか……』

福太郎「変なことはせーへんよ。最大でも揉む程度」

すっきー『揉む気満々じゃねーっすか!!』
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