第弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

ルーミア「いい匂いがするのかー!」

福太郎「……」

ルーミア「どうかしたのかー?」

福太郎「いや、さて、寝よかなーと思ったらいつも来るなーっておもて」

ルーミア「この時間しか来れないのかー」

福太郎「せやね」

ルーミア「フクタローもう寝るのかー?」

福太郎「できればもう寝たいかな。とりあえず、メリーちゃん貸してあげるんで静かに遊んでな」

メリー「えぇ、私?!」

ルーミア「遊ぼうなのかー」

福太郎「ほな、おやすみ~……ぐぅ」

すっきー『速っ…』

クロ「いや、さすがに狸寝入りだろ」

福太郎「そりゃそうやのび太とちゃうし」

すっきー『だったら、起きて遊んだけたらいいじゃねーっすか』

福太郎「最近もうオールするんはキツイんよ」

クロ「歳よりか」

ルーミア「年寄りなのかー」

福太郎「まぁ……せやろね」

すっきー『少しは否定しませんか?』

福太郎「いや、でも俺も一昔前やったら「ぉっしゃ、遊んだるわぁー」いうて余裕でオールかましとった気がするもん悪い意味のテンションで」

メリー「ご主人様大人になったのね」

福太郎「大人になったんか色々と諦めたんかは分からんけど、多分正解や」

ルーミア「くんくんくんくん……」

福太郎「どないしてん?もしかしてクロが獣臭い?」

クロ「縛り吊るしてやろうか!毎日椿のシャンプーとバラのボディソープで洗ってるっーの!」

福太郎「そういえば風呂場においてあったな……」

すっきー『福さんは違うんスか?』

福太郎「普通にメリット……って、風呂事情はええとして、なんか匂うン?」

ルーミア「すっごく美味しそうな匂いがするのかー」

福太郎「美味しそう……今日の晩飯って」

クロ「素麺だろ」

福太郎「せやね……ってことは残り香とはちゃうやろうし……外で夜泣き蕎麦がとおっとるわけでもなさそうやし。なんやろ」

メリー「どんな美味しそうな匂い?」

ルーミア「血の匂いなのかー」

メリー「……」

すっきー『……』

クロ「……」

福太郎「んー……なんとなく分かったかもしれん。隣や」

ルーミア「お肉があるのかー?」

福太郎「お肉……は確かにあるけど個人的にカニバリズムはやめといて欲しい」

ルーミア「蟹?」

福太郎「んー……明日なんか美味しいもん食べさせたげるから匂いのことは忘れてくれんかな」

ルーミア「全然わすれるのかー!」

福太郎「ええ子や」

ルーミア「でも美味しいものは約束なのかー」

福太郎「んっ、わかった。ほんなら俺は寝るけん」

ルーミア「お休みなさいなのかー」

クロ「てゆーか私も寝たいんだけど…」

すっきー『逃げられましたっすね』
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