第弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

悠「……」

すっきー『どしたんすか……アレ?』

福太郎「建築関係の本ないかーいうて来て、ずーっと読み続けとる感じ。俺もまだおるとは思わんかったわ」

すっきー『建築関係?なんでそんな本…』

福太郎「さぁ、なんか立てるんちゃう?」

すっきー『そっちぢゃなくて』

福太郎「んー……どっち?」

すっきー『なんでそんな本があるんスか?』

福太郎「建物描く時に骨組とかわかっとる方が描きやすいやろ。あと、製図関係のバイトもしとったし」

すっきー『へー……』

悠「ふーむ……。なかなか難しいな」

クロ「あっ、喋った」

福太郎「なんか有益な情報あった?」

悠「知識としてはつくが実行しようとしたら上手くいくかどうかな、っな状態」

福太郎「そらもう実験してみるしかないゃろ」

悠「ですよねー。ちなみに福ちゃん、体力仕事のバイトがあったらする?風呂作る気なんだけど」

福太郎「そらまた……えらいもん作る気やな」

悠「だろう。」

福太郎「時間があいとったら手伝ってもええよ」

悠「そいつはよかった。そんじゃま、お邪魔したね」

福太郎「あれ、帰るん?」

悠「あー、ホームセンターで必要そうな材料の見積もりしてくる。」

福太郎「ん、ほなまた」

クロ「アレはそうとうの暇人だな」

福太郎「凝り性なだけやって……まぁ、暇人なだけとも思うけど。ふぁーぁ、寝む。もうひと眠りしょっと……」

クロ「お前はお前で寝るのかよっ!」



~青年熟睡中~



ドッ!
福太郎「おごっ?!!」

「痛っ~くなぃ?」

福太郎「ぐおぉっ……く、クロ。ボディダイブはアカンて貧弱脆弱な人間やで俺……ぐぅぅ」

クロ「うるさいな、なんの騒ぎだよ」

メリー「どうしたの……って、何?!」

福太郎「酒臭っ……ていうか、なんやこれ?」

ひょい……
角の生えた幼女「あははは、とんでりゅー、とんでりゅぞーっあはははっ。」

すっきー『うるさっ……な、どうしたんすっか?』

福太郎「分からん……ただ、ひとつだけ。めっちゃ酒臭い角の生えた幼女にボディダイブされて俺の防御を根こそぎ持ってかれた事実や……あと、よろしゅう……ガクッ」

メリー「きゃー、ご主人さまー!!」

クロ「よろしくって……おい、コラ!」

福太郎「……」

角の生えた幼女「あはははっ。あははっ。」

クロ「大声で笑うな!っていうか……酒臭っ!!なんだこの鬼、どっから沸いて来た」

すっきー『鬼なんですか?!』

クロ「どうみても鬼だろ。角あるし」

角の生えた幼女「うぃー……れーむ、もういっぽんおしゃけくりー」

クロ「だれだよ「れーむ」って!しかも、いっぱいじゃなく一本かよ!」

福太郎「……」

メリー「ご主人さまー、しっかりしてー!」

すっきー『……よし、私も隙間でに戻っ』

ガシッ!
クロ「逃げんなッ!」

すっきー『えぇー、勘弁してくださいっす。鬼とか怖いっす』

クロ「お化けが怖いとかいってんじゃねぇ!!」
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