第弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「んー……降ったなぁ」

ミツバ『大雨ですねぇー』

福太郎「今日は家で待機やなぁ」

クロ「毛が湿ってうぜぇ…。」

福太郎「ドライヤー当てたろか?」

クロ「なんの嫌がらせだよ」

福太郎「良かれと思っていうてんのに」

クロ「ガルル」

福太郎「そないに唸ることないのになぁ。」

すっきー『しかし、湿っぽいですね』

福太郎「潤いが出るんちゃうの?」

すっきー『私は湿気取りじゃないっす!!』

福太郎「むしろしっとりさせる側やったか」

すっきー『いったい幽霊をなんだと思ってるんスか』

福太郎「……加湿機?」

すっきー『本気で祟られるっスよ』

福太郎「いや、加湿器はあれやけど、真夏には涼を呼んでくれることを期待しとる」

すっきー『扇風機かエアコン使え!』

福太郎「幽霊で省エネや」

メリー「不健全な省エネね…。」

福太郎「身も心もひんやり的な」

すっきー『それ完全に祟られてるっス』

福太郎「ということで、真夏には期待しとるよ」

すっきー『そんな職能もってないっすよ』

福太郎「そこはほら……気合で」

クロ「無茶苦茶だな」

福太郎「ちなみにクロはなんかでけへんの?」

クロ「コックリさん」

福太郎「聞いてごめんな」

クロ「オイコラ、なんで謝った。立派な能力だろ」

福太郎「……」

クロ「なんだその面、ぶん殴るぞ」

福太郎「うん、まぁ……そゆことにしとくな」

クロ「なんで妥協的なんだよ。」

福太郎「んー……雨やなぁ」

クロ「オイコラ、こっち向けコラ。噛みつくぞ」

福太郎「髪癖着いたら口輪せなアカンようなるで?」

クロ「私は犬じゃねぇ!!」

福太郎「せっかくリードと首輪も買ってきたのに」

クロ「なんのプレイだよ!!」

福太郎「犬飼うもんのマナーやろ。プレイとかゃなくて」

クロ「こいつ……マジで犬扱いかよ」

メリー「……ねぇねぇ、ご主人様」

福太郎「んー?どした?」

メリー「首輪とリードは外に散歩するときのだよね」

福太郎「せやで、犬には着けとかんとうるさぁ言われたらややけんね」

クロ「犬犬犬犬犬いうなっ!」

メリー「でもさ、別に散歩する時ひとがたでいけばいいんじゃない?自由意思でどこでもいけるし」

福太郎「……」

クロ「……」

福太郎「はい、アクセサリーのプレゼント」

クロ「わーい、ありがとーって首輪のアクセってハードロッカーか!」

ベシッ!

福太郎「まぁ、せっかくやし着けといてぇな」

クロ「いーやーだっ!」

福太郎「ほな、すっきーでええわ」

すっきー『嫌っすよ?!何言い出すんスか!!』

福太郎「悠が喜ぶて」

すっきー『あの人は見えないでしょーが!!』

福太郎「まぁ、すっきーはそもそも触れれんしな。クロ、気向いたら着けといて」

クロ「ツケねーっての」
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