第弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー三日月ー

福太郎「なぁ、悠さんや」

悠「なにかな、福さんや」

福太郎「かれこれ三時間くらい飲み続けてへん?」

悠「そうだな……三日ぐらい連ちゃんしてる感じだな」

福太郎「あ、なんか分かる。三時間なんやけど、なんか三日くらいここでおる感じするんよね」

悠「不思議だな」

福太郎「不思議やねー」

恵瑠「あの、酔っ払ってます?」

悠「人生には酔ってる」

福太郎「シラフやで~人生には迷っとるけど」

恵瑠「は、はぁ……あの、一応ラストオーダーなんですけど」

悠「あー……福ちゃん、もう一本付き合えるか?」

福太郎「んー……ほな二人で半々で」

悠「じゃあ、ビール一本とこの魚のチップス?みたいなの頼むは、これ美味いめっちゃ酒に合う」

恵瑠「はーい、わかりましたー。」

福太郎「……テレビで見るより生の方が可愛な、あの子」

悠「実はおれアイツがテレビでてんのみたことないんだわさ」

福太郎「そーなん?」

悠「あぁ、内緒だぞ」

恵瑠「聞こえてますよ」

凛「ふふっ」

悠「壁に耳あり、障子にメアリーか」

福太郎「メアリーどなた?」

悠「羊飼いだ」

福太郎「マジで」

悠「うん、北欧の美白美人で羊飼い」

福太郎「へー……」

悠「ちなみに福ちゃんアイドルとか好きなの?」

福太郎「んー……ふ」

悠「普通」

福太郎「いわれてしもた。」

悠「おれは発言がいい加減ていわれるけど、福ちゃんは安定して普通だよな」

福太郎「んー……いやー、ホンマ嫌いやないけど、誰かに語れるほど好きってほどでもないし普通になるんよね」

悠「他人の普通ほど匙加減が分からない者もないけどな」

福太郎「せやねー」

悠「そういやさ、話しは変わるんだけど。福ちゃんて中学校のいいところって知らないか?」

福太郎「中学の……いいとこ?」

悠「ちょっと説明が足りなかったな……えーとな、わりと無茶というか融通のきく中学校を探してるんだ」

福太郎「中学校なぁ…………あ、アマチューは?」

悠「テンチューって……奄美中学のことか?あの超の着く不良中学」

福太郎「無茶も融通も聞くと思うけど」

悠「絶対駄目!」

福太郎「アカンのや」

悠「駄目駄目、絶対駄目。なんかあったら全殺しにしなくちゃならなくなるし」

福太郎「はい?」

悠「あ、んっんん、じゃなくてどちらかというと女の子に人気があるとかが良いな」

福太郎「んー……わからんなぁ」

悠「だよなぁ。」

凛「なら、天王中学とか陽之秦中学とかは?」

悠「え?」

凛「そこは結構人気のある学校らしいわよ」

悠「へー、そうなんすか。さっそく帰って調べてみます。ありがとうございます」
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