第弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

耳着きメイド「改めまして、わたくし大神といいます」

福太郎「オオカミ?犬なのに?」

大神(?)「犬じゃなく狼ですから」

福太郎「犬やったゃん」

大神(?)「オオカミだ!」

福太郎「ふーん、そんでクロは」

クロ「ちょっとまて、クロってなに?クロって」

福太郎「クロ犬やったからクロ」

クロ「人の名前を勝手に変えるなッ!!!」

福太郎「オオカミいうんは認めん」

クロ「なんでそこ頑ななんだよ!」

すっきー『まぁまぁ落ち着いてください』

クロ「落ち着けるか!」

福太郎「で、クロは何しに来たん?」

クロ「がるるっ!」

すっきー『もう諦めた方が良いっすよ。そういう人っすから』

クロ「……はぁ、いいや。単刀直入に」

福太郎「ん」

クロ「あの縄張りから追い出された。ここで憑かせて欲しい」

福太郎「ん、無理」

クロ「ちょっとは躊躇しろよ!!」

福太郎「いややろ。誰かて憑かれたぁーはないし」

クロ「だって、アンタのせいで追いだされたのよ!」

福太郎「あそこで調子にのって更に捧げもんを要求した自分のせいやと思うけどなぁ。」

クロ「違う!そっちが悪い」

福太郎「ほな、すんません。はい、お帰りください」

クロ「ちょ、待て、待ってって!」

福太郎「なんですのん」

クロ「こんな美女メイドのお願いなのよ?」

福太郎「せやけど、犬やろ」

クロ「オオカミだっっーの」

福太郎「どちらにしろ獣であって人ではない」

クロ「……うっ」

福太郎「泣いたふりは通じんよ」

クロ「……ちっ」

メリー「黒いわね」

すっきー『やっぱりクロっすね』

クロ「クロじゃないっての!!」

福太郎「あ、せやったらええとこ紹介しょーか?幽霊とか妖怪とかみえんのに貫手繰り出してくる揺光さんの親しい人間なんやけど」

クロ「嫌だよ?!そんな恐ろしい人間。っいうか、それ人間か?」

福太郎「んー……………………人間」

クロ「間が長い!」

福太郎「どーしてもウチに住みたいん?」

クロ「お願いします。」

福太郎「んー……ほな、しゃーないなぁ。」

すっきー『いいんですか?相手は犬神ですよ?』

クロ「オオカミ!」

福太郎「呪われて死んだらその後の悠に報復してもらうし」

すっきー『あぁ、なるほど』

福太郎「それはさておき……とりあえず、ここで置いたげてもええけど、そのかわり身体で家賃は払ってもらうけどええかな」

クロ「か、身体で……」

福太郎「ん、健康そうな身体やし。しっかりと働けるやろ」

クロ「……え?」

福太郎「まぁ、バイト探すんは俺も手伝うしこれからよろしゅう」

クロ「はあああぁ?!」

福太郎「あぁ、全額回収はせーへんよ。食費と光熱費の半分だけでええし。あとは食事当番な」
2/100ページ
スキ