ｰ妖怪園:研究室ｰ

お仙『なるほどナー』

リュカ「理解したの?」

お仙『全然!!』

リュカ「あら、素直」

福太郎「んー……とにかくヤバいほどのレアアイテムいうんは分かりました。なんやけど、明らかに俺が渡したもんとの価値が桁違いなんやけど。」

栞「では、その価値に見合うまでまた絵を届けてください。私は空腹を満たしてくださいよ。」

福太郎「はぁ…。まぁ……それでええんでしたら。」

ラム「いやいやいやいやいやいや、いやいやいやいやいやいや!」

お仙『ジョジョのセリフみたいになってル。』

栞「あ、そうだ。忘れてた。ラムさんに頼まれてたものもできてるわよ。」

ラム「いや、そうじゃなくて……え、できたの?」

リュカ「コロッと態度が変わった」

ラム「うるさいっ」

栞「まだ、効果とか持続時間にムラがありますが、希望通りの作りになっていますよ。どうぞ。」

今度は万念筆とは違い銀色で少し長めのサインペンサイズの筆を取りだして、ラムはそれを両手で受け取った。

福太郎「それも特別な筆なん?」

ラム「特別といえば特別だけどアンタが渡されたもんよりは全然よ。」

栞「でも、作るのはかなり苦労したんですよ。」

お仙『筆で呪符書いてまた私の事を動けなくするつもりね、エロ堂人みたい二!』

ラム「試してみていいかしら」

栞「どうぞ」

ラムは空中に筆を振るうと、筆の通った後に光の線が浮かんでいく、手慣れているらしくあっという間に難しい封魔の字が描かれ、お仙に目掛けて振り抜いた。

すると、空に描かれた呪字がお仙の顔にぶつかり一度強く発光すると沁み込んでいったように霧散した。

お仙『……』

リュカ「お仙?おーい、お仙?」

お仙『……』

リュカ「し、死んでる!!」

福太郎「死んどるんは元からやね。」

ラム「んふー……いいじゃない、これ凄い便利ね。」

リュカ「いい笑顔」

栞「お気に召してもらえたようでよかったです。」

お仙『……』

福太郎「札の効果を送りこむ的な感じなん?」

ラム「そうよ。ちなみに霊体に直接書き込んでやることもできるわ。」

福太郎「はぁ……ところで、お仙はれ大丈夫なん?」

お仙『大丈夫ダ。問題なイ。』

ラム「チッ、もう動きだした…。」

栞「おかしいですね。もっと強い効果が出るはずなのですが……」

福太郎「お仙はなかなか特別やからね。」

お仙『ふはは、無敵だゼ。』
グッグッ

リュカ「……でも、身体動いてなくない?」

お仙『首から下はまだ動なイ』

ラム「ふむ、やっぱり通常の札よりは効果あるのね。」