第弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

コンコン…

福太郎「んー?」

メリー「どうかしたの、ご主人様?」

福太郎「いま、ノックした音せーへんかった?」

かっきー『空耳じゃないっすか?』

福太郎「んー……せやね」

コンコン…コンコン…

メリー「あっ、ノック聞こえる」

すっきー『こんな時間に……あ、悠さんとか』

福太郎「悠やったらあんな普通なノックせーへんて16連射でチャイム鳴らしたりするし」

すっきー『それもそうっすね。そもそも、閉まってても入ってきそうだし』

福太郎「しかし、そーなると……こんな時間に来客て居留守つかおか」

メリー「思いっきり電気付いてるし、今さらダメだと思う」

福太郎「せやね」

コンコン……こんこん……こんこん……

メリー「なんか怖い……。ご主人様、刺してこようか?」

福太郎「言動と行動が一致しとらんよ。ええから、俺がみてくるから」

メリー「はーい」

コンコン…

福太郎「はいはい、どなたー?」

「……」

福太郎「んー?」

ガチャ…
耳着きメイド「ご主人さまー、ご奉仕にまい…」

バタンッ……ガチャン!

福太郎「さぁて、そろそろ寝よかな」

どんどん!どんどん!
耳着きメイド「ちょっとー閉め出さないで!」

福太郎「もーしわけないけど、ウチにはメイドなんか雇ってないし、その手のお店に派遣の電話も入れてないんで」

どんどん!どんどん!
耳着きメイド「冷静に淡々と拒絶しないで開けてください!!」

福太郎「えー……イヤヤ。怖いモン」

耳着きメイド「メイドが怖いわけ無いでしよ!!」

福太郎「メイドのカッコをしとるマフィアが飼ってる殺し屋の可能性があるやろ。いまどきメイドってどれもこれも戦闘民族やん」

耳着きメイド「何いってるか分かんないです!!」

福太郎「ほな、ご苦労様です。俺はメリーちゃんのご主人様なんで、失礼します。おやすみなさい」

耳着きメイド「あわわっ!!き、昨日の犬です!!」

福太郎「……」

ガチャ…

耳着きメイド「あっ!!」

福太郎「また、祟りに来てん?しゃーないなやりたぁ無いけど……いまから揺光さんに」

耳着きメイド「違います違います!!ホントーに違いますからお話を聞いてください。ほら、服従のポーズ」

ごろん……

福太郎「女の子がはしたない恰好せんの……っていうか、なんでメイド?」

耳着きメイド「諸事情いろいろありまして……お話し聞いてもらえますか?」

福太郎「聞かな帰らんのやろ」

耳着きメイド「まあ、そうですね。でへへ」

福太郎「はぁ、ほなどうぞ」

耳着きメイド「おじゃましまーす。あ、お茶とかお菓子とかは結構ですよ。でもでもどうしてもっていうのなら全然ウェルカムです。」

福太郎「……ちょいまってないまから揺光さん呼ぶけん」

耳着きメイド「調子に乗ってスンマセンした。ほんと、勘弁してください。」
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