第拾弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー池袋界隈:運動公園ー

時間は今に戻り……。

ラム「他の場所もOkみたい。それじゃあ、始めるわよ。」

お仙『任せロ!で、なにをすればいいんダ?』

ラム「さっき説明したでしょ!」

福太郎「氷柱女はいま気体になって見えん状態かつ、夏の気温のせいで夜にしかも水の周りでしか行動してない。せやからここいに一帯を封鎖して液体窒素を撒いて肉眼でも確認できる程度に実体化したら捕獲……Ok?」

お仙『Ok!』

ラム「はぁ……時間ないから始めるわよ。私らはガスマスク、お仙アンタは平気なんだからしっかりと動きなさい。」

お仙『キョンシー使いが荒いやつダ』

ラム「札でもっと強制的に操ってやろうかコイツは……」

プシューーッ

福太郎「ん、液体窒素が流れて……って、結構真っ白になるな。」

ラム「あたりに広がらないギリギリかつ最大量を流してるからね。間違っても現役そのものを踏んだりしちゃダメよ。私もよく知らないけど長靴でも凍るっていうし」

福太郎「ちなみに液体窒素は生身の方が一瞬やったら触れても平気って知ってます?手の温度が……」

ラム「そういう話、今はいいから目を凝らして」

福太郎「アッハイ」

ラム「……」

福太郎「……」

お仙『……いないゾー』

ラム「……こちら確認なし、他は?」

『確認なし』
『こちらもありません』

ラム「弱ったわね。」

福太郎「んー……どないします?」

ラム「せめて何らかのアクションがあれば捕獲はできるのだけど」

福太郎「アクションなぁ。」

お仙『今日はもうでないんじゃネ?コンビニでアイス買って帰ろウ』

ラム「簡単にあきらめるな!この規模の作戦はほいほいとできないのよ!」

「……ふ」

福太郎「ん?何か言いました?」

ラム「お仙に対する文句なら言ってるけど!」

お仙『アイスが駄目なら冷たいゼリーとかはどうダ?』

ラム「そういう否定をしてるんじゃない!」

「……ふふっ」

福太郎「んんー…声するなぁ。もしもしーし、どこですかー?」
「こ・こ」

福太郎「うひゃっ!?」

「ふふっ、ふふふっ。」

ラム「いる!」

お仙『声はすれども姿は見えズ』
「ここよ、ふーっ」

お仙『おっ、おお、ヒヤっとしたゾ!』

ラム「こら、ちょろちょろせずに大人しくしなさい。」

「ふふふっ」

福太郎「ここらかな?」
プシューー
氷柱女「あぁ、冷える、いいわ。冷えるわ。」

お仙『お、冷却スプレーをまいたら出てきタ。』
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