第壱夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

福太郎「あぁ……」

すっきー『どうしたんスか』

福太郎「んー……ヒマやな」

すっきー『ああ……そうすか』

福太郎「メリーちゃんは寝てしもとるし」

すっきー『まぁ、夜中の二時ですからね』

福太郎「なんかして遊ぼか」

すっきー『なにしてすか?』

福太郎「えーと……こっくりさん?」

すっきー『えぇ……。』

福太郎「実は俺したこと無いんよねぇ」

すっきー『してる人のが少ないと思いますけどね……。』

福太郎「ということでやってみよか」

すっきー『私がいうのもなんなんですけど……コックリさんて無意識に動かしてるんスよね。それだと物に触れられない私がやっても意味ないんじゃ……』

福太郎「すっきーってときどきツマランなぁ」

すっきー『ツマランってなんすか?!』

福太郎「ほらほら、ええから指置いて。いくで?コックリさん、コックリさん、おいでください」

ズズッ……→【は】
ズズッ……→【い】

すっきー『来た……ってことっすね。』

福太郎「来たなぁ……ほな、せっかくやし質問してみよか。こっくりさん、すっきーの下着の色は何色ですか」

すっきー『なに聞いとんすか!!』

ズズッ……→【く】
ズズッ……→【ろ】

福太郎「黒?」

すっきー『なにこの自問自答セクハラ……』

福太郎「ほな、すっきーどうぞ」

すっきー『どうぞって……福太郎さんの性格は計算ですか天然ですか』

ズズッ……→【て】
ズズッ……→【ん】
ズズッ……→【ね】
ズズッ……→【ん】

福太郎「やって」

すっきー『はぁ……』

福太郎「ところですっきー、今一度確認しときたいんやけど」

すっきー『なんすか?』

福太郎「すっきーは物に触れんのよな?」

すっきー『すり抜けますね』

福太郎「この十円玉にも触れれてない?」

すっきー『そうっすね。十円玉っていうか福太郎さんの指に触れてるって感じですけど…?』

福太郎「なるほどなぁ」

すっきー『なんなんすか?』

福太郎「いや、実はさっきからな、俺十円玉動かして無いんよ」

すっきー『はい?』

福太郎「ホンマになんか降りてきとるみたい」

すっきー『とっととお帰り願ってください!!』

福太郎「えぇー、もうちょいやろよ」

すっきー『なんでこの人怖がらないの……いいから、帰ってもらってください』

福太郎「んー……コックリさん帰ってもらえまいか?」

ズズッ……→【い】
ズズッ……→【や】

すっきー『拒否られた?!』

福太郎「なんでですのん?」

ズズッ……→【お】
ズズッ……→【み】
ズズッ……→【き】
ズズッ……→【ま】
ズズッ……→【つ】
ズズッ……→【れ】

すっきー『おみきまつれ……お神酒祀れっすか?』

福太郎「ほな、明日祀らせてもらいます。場所は何処でっか?」

ズズッ……→【じ】
ズズッ……→【ん】
ズズッ……→【じ】
ズズッ……→【や】
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