ｰ夢見長屋ｰ

リュカ「すぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ」

福太郎「……」

クロ「……」

リュカ「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」

福太郎「なにしとるん?」

リュカ「光合成」

クロ「今の光合成か?!」

リュカ「あと二酸化炭素を吸って酸素を吐きだしてる。」

福太郎「おー、さすが植物」

クロ「そう考えたらコイツと室内居るときはちょっと気を付けないと酸素濃度上がりそうだな。」

リュカ「ウェザーのスタンド程、完璧に濃度調節できるわけじゃないから平気やで。」

福太郎「天候操作って怖いよな」

リュカ「私なら超カンカン照りと集中豪雨をの繰り返しがいい」

クロ「サウナに入って水風呂につかるおっさんかよ」

リュカ「植物自在成長系美少女!」

クロ「やかましいわ。」

リュカ「でも、ここだけの話。植物って基本性別が一体化してるからどっちにもなれたりするんだよね。」

福太郎「……んー、なるほど、はー、植物の妖怪ってみんなそんなんなん?」

リュカ「さぁ、他の植物妖魔にしりあいがいないからわからないけど。ハッキリと雄雌ってわかれてるのは案外少ないんじゃないかな。」

福太郎「ほーほー、へーっ!」

クロ「めっちゃ興味もってやがる。」

福太郎「いやー、なかなか深いなぁって」

リュカ「それよりお出かけ?」

福太郎「夕飯買いにね。なんかいる?」

リュカ「水素水」

クロ「水道水で充分だろ」

福太郎「ミネラルウォーター買ってくるわ。」

リュカ「軟水で」

クロ「細けぇんだよ!!」

福太郎「まぁまぁ、ほな、いってきますわ。」

リュカ「いってらー。さぁぁて、もっと深く深呼吸っゥゥゥゥっ!」

『おい』

リュカ「にょ?」

犬頭の男『貴様、ここの住人か』

リュカ「わっ、狼男?ワーウルフ?犬マン?」

犬頭の男『質問に答えろ』

リュカ「そうだけど。」

犬頭の男『フクタローという人間はいるか?』

リュカ「居るけど、今はいない。出かけた。」

犬頭の男『チッ間の悪い』

リュカ「なんの用?」

犬頭の男『食い殺してやろうと思ってな。』

リュカ「へー……なんで?」

犬頭の男『同属のモノが世話になったようでな。その意趣返しだ。最近は人間を食ってなかったからな。』

リュカ「なるほどねぇー。ところで、私一応福太郎の所の家族なんだよね。だから、面倒ごとはちょっと困っ……」

犬頭の男『なら貴様から食ってやる!』

大口を開けてリュカの頭を食いちぎった犬頭の男。ぐちゃぐちゃと咀嚼したが、口の中に広がる青臭さに耐えきれず吐きだしてしまう。

リュカの身体「ああもう。いきなり何するかなぁ」

失った頭がすぐに再生する。

犬頭の男『げっぺっ!ぐっ?!』

悶えている犬頭の男は急に視界がぐらつき立っていられなくなった。

リュカ「そらまぁ、妖植物の毒を直接口に入れたらそうなるわな。さて……どうしようか。このまま土の中に引きづり込んで養分にしてもいいけど、福太郎が気がついたら悲しむかなぁ。……あ、そうだ。ダンジョンに捨てとこう。運が良かったら戻ってこれるでしょ。」

犬頭の男『ぐっ……が……』