第拾弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー福太郎の部屋ー

リュカ「あちぃ。じゅるるるっ」

お仙『あちーわァ。ガリガリッ』

クロ「方やバケツで水飲んで、方や氷噛み砕いてやがる」

福太郎「まぁ、こん暑さやし気持ちは分かるわ。」

メリー「リュカは水分取っとかないと枯れちゃうし、お仙は身体冷やしてないと腐っちゃうしね」

お仙『心は生!!』

クロ「なに言ってるんだお前」

お仙『生身アピール』

クロ「生身ではねぇよ」

コンコンッ!

福太郎「ん?」

お仙『ラップ音!!』

クロ「普通のノックだろ」

福太郎「はいはい?」

チコ「あ、すいません…」

福太郎「はい?んっ?君……確か」

チコ「あ、萌原です。萌原チコ」

福太郎「んっ、せやせや。悠の知り合いさんやんな」

チコ「はい。」

福太郎「ほんで、どしたん?」

チコ「あ、ええと……」

クロ「どうかしたか?」

福太郎「んー、まぁ、中どうぞ。外よりは涼しいで」

チコ「すみません。お邪魔します」

リュカ「水飲む?」

お仙『氷食ウ?』

チコ「はい?」

クロ「無視してくれ。」

福太郎「麦茶とコーヒーどっちがええ?」

チコ「あ、ならお茶でお願いします」

福太郎「はい、どうぞ」

チコ「ありがとうございます」

クロ「……」

チコ「……あの、御堂さんは」

福太郎「福太郎でええよ」

チコ「福太郎さんは、その……妖怪とかに詳しいんですよね?」

福太郎「詳しい、詳しい……かな?」

クロ「ある意味では専門家だろ」

チコ「なら、雪ん子の生態については?」

福太郎「雪ん子って……子供の姿の雪の精のこと?」

チコ「それです!」

お仙『ああ、暑いから雪ん子で納涼しようト!』

クロ「だまってろ」

福太郎「そんで雪ん子がどうかしたん?」

チコ「実は……」


~説明中~


福太郎「恐竜の怨念に、テロ……」

クロ「それで雪ん子が身を呈したって訳か……。」

お仙『涙なしでは聞けなイ』

リュカ「ご冥福をお祈りします」

チコ「福太郎さん!雪ん子ちゃんを生き返らせる方法はないでしょうか!」

「「「……えっ?」」」

チコ「あのあと、残っていた水を集めたものがここにあります!どうにかならないでしょうか!」

福太郎「どうにかて……」

チコ「お願いします!」

福太郎「……わかった」

クロ「おい!!」

福太郎「もちろんできるとは言い切れませんけど少し調べてみるってことで、このお水は預かっといてええかな?」

チコ「ありがとうございますっ!ありがとうございますっ!」
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