第拾弐夜『福太郎の不思議な日常』

ー校舎内:開かずの間ー

小宮「ここが倉庫という名目なんですが、本当は開かずの間と呼ばれているところです。」

天海「これは……ここやね。こっからめっちゃ霊気を感じるわ」

伊佐美「ええっ…」

福太郎「はい、はい……皆もここに向こうとるそうです。」

伊佐美「じゃ、じゃあ、みんなが集まってから開けるってことで……」

天海「なにいうとるんや。ここに居るんやから開けるで」
グッグッ
伊佐美「なんで私を押すんですか!自分で開けてくださいよ!」

福太郎「あのー、俺があけましょか?」

天海「そんな福太郎さんに……ええですか?」

伊佐美「社長最低やぞ!」

福太郎「ほな、開けますけど……鍵とかは?」

小宮「かかってないはずです」

福太郎「ほな」
ガラッ……

扉を開けるや否や無数の幽霊が飛び出してきた。

小宮「ううーん……」
伊佐美「ああっー……」

ショックで気絶してしまう二人。

福太郎「えーと、天海さん?」

天海「……」

この人も気絶してるだろうと思ったが意外や意外、なんと意識を保っている。というか目を閉じてなにも見ないようにしていたっぽい。

福太郎「天海さーん」

天海「はっ、開いた?」

福太郎「開きましたで」

天海「よし、ほんなら中に入ろか」

福太郎「なんやほとんどの霊が出ていってしもた感じやけど……」

落ち武者『……』

天海「おったぁ!」

落ち武者『わっ?!』

福太郎「あ、逃げ……」

天海「てぃっ!」

落ち武者『うわあぁぁぁっ!』

オバケガンというゴーストバスターズ丸出しのアレで落ち武者の幽霊が捕獲される。

福太郎「へー、ホンマにお化け捕獲できるんや」

落ち武者『なんだー!なんなんだー!』

天海「まぁまぁ、ちょっとお話しましょうや」

落ち武者『話ぃ?』

福太郎「ええと、落ち武者さん」

落ち武者『いや、別に俺は落ち武者じゃねーし。』

天海「えっ、ちゃうん?矢とか刺さっとりますけど」

落ち武者『ちげーよ。これはアレだ。戦が激しくてぇ、もう四方からバンバン矢が飛んでくるし、それで走り回ったらこうやって髷も解けちゃうんだよ』

福太郎「はー、ええと、ほんならなんて呼べばええんですか?」

平松『平松内源だ』

天海「平松……」

福太郎「内源……?」

天海「知っとる?」

福太郎「いやぁ……」

平松『ええっ、知らない?俺信長とかと超戦ったよ?』
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